この冬、ドイツでは記録的な暖かさで過ごしやすい日々が続きました。冬とは思えないほど気温が上がった日に、日頃の運動不足を解消するため、長めの散歩に出てみました。
まだ日差しに冷たさが残るものの、最高気温が15℃まで上がった2月の日曜日、ミュンヘンの南東50kmに位置するシュリア湖(Schliersee)近郊のフィッシュバッハウ(Fischbachau)という町へ向かいました。ここは、アルプスを間近に望む標高770mの小さな町。冬には全長7.6kmの初心者向けノルディック・スキー用コースが整備され、多くのスキーヤーたちで賑わいます。雪がほとんど降らなかった今年は、格好のお散歩コースとなりました。
山の上には雪がちらほらと
教会近くの駐車場に車を止めて、散歩開始。コースは枝分かれしていて、短時間でも長時間でも滞在時間や気分に合わせて選ぶことができます。この日は、事前にインターネットで調べた約2時間の小川沿いのコースを歩きました。コースには標識が整備されており、GPS機能を備えたスマートフォンがあれば、迷う心配もありません。また、道も平坦で、冬の間に体がなまっていた私にはピッタリでした。小川のせせらぎを聞きながら歩いて行くと、馬や牛、羊のいる、バイエルンらしいのどかな田園風景が広がっています。森や畑の中を抜け、アルプスを見渡せるポイントを通り……と、変化に富んだコースで、飽きることがありませんでした。
小川のせせらぎはリラックス効果抜群です
さて、別の日にはミュンヘンの北東50kmに位置するフラウンベルク(Fraunberg)という町へ出掛けてみました。穏やかな丘陵地を抜けるパノラマルート(Panoramaweg der Gemeinde)は全長9.5kmで、のんびりと散歩するにはうってつけのスポットです。農業地帯にまたがる道で、緑に染まる春から夏に掛けては、とても美しい景色が楽しめそうです。ただ、木陰が少ないので、日差しが強いときには帽子を被った方が良さそうです。
天気の良い日には、ルートの途中にある小高いビューポイントから遠くミュンヘンを望むことができるそうです。私が訪れた日は残念ながらミュンヘンは見えませんでしたが、模型飛行機のテスト飛行の様子を見ることができました。また、フラウンベルクの町外れには、17世紀に建てられた、堀に囲まれたフラウンベルク城があります。これは個人所有の城で、残念ながら一般公開はされていませんが、丸みを帯びた保存状態の良い建物の外観を間近で見ることができました。
バイエルンは、これから1年で最も美しい季節を迎えます。皆さんも自然を堪能しに、散歩に出掛けてみては?
フィッシュバッハウ観光案内
www.fischbachau.de/wandern-berge.html
フラウンベルクのパノラマルート
www.fraunberg.de/portrait/sehenswertes/panoramweg
2002年からミュンヘン近郊の小さな町ヴェルトに在住。会社員を経て独立し、現在はフリーランスとして活動中。家族は夫と2匹の猫で、最近の趣味はヨガとゴルフ、フルート。