ジャパンダイジェスト

シュタルンベルガーゼー周辺の見どころ

ミュンヘン近郊には多くの湖があり、四季を通じて大勢の人々が散策やウォータースポーツを楽しんでいます。それらの湖へは、アウトバーンや公共交通機関で簡単にアクセスできます。ミュンヘンの南東約30kmの場所にはシュタルンベルガーゼー(Starnbergersee)、アマーゼー(Ammersee)、ヴェルトゼー(Wörthsee)、ピルゼンゼー(Pilsensee)、ヴェスリンガーゼー(Weslingersee)の5つの湖から成る「Fünfseenland」があります。この湖沼群の点在地域のうち、特に風光明媚なシュタルンベルガーゼー地域は古くからバイエルン王家に愛されていました。ノイシュヴァンシュタイン城を建てたことで有名なルードヴィヒ2世が、悲劇的な最期を遂げたのもこの湖です。また、彼の従姉妹であるオーストリア=ハンガリー帝国のエリザベート皇后(愛称シシィ)が若き日を過ごしたポッセンホーフェン城(Schloss Possenhofen:個人所有のため入館不可)へは、この湖沿いを走るSバーンのポッセンホーフェン駅(S6, Possenhofen)から徒歩で約10分。なお、ルードヴィヒ2世の命で建設された同駅は現在、エリザベート皇后博物館(Kaiserin Elisabeth Museum)として公開されています(冬季休館)。

オースターゼー
オースターゼーは、大小様々な湖が連なる鳥たちの楽園

先日、シュタルンベルガーゼー南方のオースターゼー(Ostersee)と呼ばれる湖沼群へハイキングに行ってきました。氷河期に形成された地層から成る湖沼群の主な水源は湧き水。地底からこんこんと湧き出る水の温度は常時約10℃で、湖は冬でも凍結しないそうです。豊富な水に恵まれた地域ですが、19世紀末までは主に狩猟や漁業のためのみ人が立ち入り、住むには適さない土地とみなされていました。そのために手付かずの自然が残り、鳥たちの楽園となっています。現在は自然保護地区に指定され、遊歩道の建設や遊泳可能な区域などが保全・管理されています。大小様々な湖があり、遊歩道が周囲一帯に張り巡らされているため、ハイキングをする場合は自身の体力に応じてコースを選ぶことができますが、雨の後などはぬかるみ状になっていることもあるので、防水性に優れた靴が必要です。グロース・オーステルンゼー(Groß Osternsee)を一周する約10kmのコースは平坦で快適でした。散歩道の途中には湧水ポイントもあります。水面は吸い込まれそうなほどに透き通った明るい青色で、アクアブルーという言葉はここから来ていると思わせるほどでした。

ハイキングの日は秋晴れに恵まれ、遠くアルプスを一望できました。木々の繁る静かな湖畔を散策した後は、カフェでひと休み。都会の喧噪を離れて静かな時間を過ごすには、もってこいの場所です。
※オースターゼーへは、鉄道イッフェルドルフ駅(Iffeldorf)より約1km。

カフェでのんびり休憩
ハイキングの後はカフェでのんびり休憩を

Y. Utsumi
2002年からミュンヘン近郊の小さな町ヴェルトに在住。会社員を経て独立し、現在はフリーランスとして活動中。家族は夫と2匹の猫で、最近の趣味はヨガとゴルフ、フルート。
 
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