家で眠っている素材が便利な道具に生まれ変わるとしたら、どんなにすてきなことでしょう。先日、自宅にあるものを再活用した、環境に優しい二つのワークショップに参加してきましたので、その様子をレポートしたいと思います。
まずは、中央駅から徒歩圏内の在シュトゥットガルト日本国名誉領事館を会場に行われた、蜜ろうラップ作りの会です。蜜ろうファンの私としては、いつの日か手作りをしてみたい! と思っていたので、開催を知ってすぐに申し込みました。
近年、ドラッグストアやスーパーマーケットでも取り扱われ、身近な存在になりつつある蜜ろうラップ。野菜の鮮度が長持ちするだけでなく、天然の抗菌作用があるので、わが家では野菜や果物の保存に大変重宝しています。当然ながらラップは再利用可能で、ゴミの削減につながることが最大の魅力です。
ワークショップでは、参加者それぞれが自宅に眠っていた生地を持参。蜜ろうの香りに包まれたお部屋で、ゆったりと手仕事を楽しむことができました。ほかにも領事館を会場に、毎月第2水曜の午前中に環境を考慮したさまざまなものづくりの会が開催されています。小さなお子さん連れでも参加可能だそうですよ。
その数日後、公益法人まほろば(Mahoroba e.V.)が主催する「鍋帽子」を作るワークショップに参加しました。「鍋帽子」とは、火から下ろした鍋に被せておくことで、長時間の保温や加熱時間が短縮できるエコなグッズ。「全国友の会」の登録商標で、半纏 のように2枚の布の間に綿を挟んで縫うので、保温性に大変優れています。参加者はそれぞれ布を持参し、私も、柄は気に入っているものの出番がなかった風呂敷と手ぬぐいを使いました。真綿を布の中に入れ込んで縫っているそばから、保温性の良さと温かさを感じました。
鍋帽子作りワークショップの様子
会場は終始にぎやかで、まるで学生時代の部活のよう。ミシンの音や会話を楽しみながら、夢中で手を動かしました。ここで作った鍋帽子は、私の相棒である麹箱を保温する袋として、さっそく活躍してくれています。サイズをアレンジできるのも、手作りならではの良い点ですね。
綿を入れる前の鍋帽子
今回のイベントを主催していた公益法人まほろばは、シュトゥットガルト市内や近郊に住む日本人と日本に興味のある人たちを対象に、ドイツ生活での暮らしが豊かになるような情報提供や、ネットワークづくりなどに取り組んでいる非営利団体です。懇親会や勉強会をはじめ、生活情報の交換会や日独文化交流など、さまざまなイベントも行っているそう。慣れない異文化の中で生活する日本人にとって、とてもありがたい存在ですね。今後の活動やイベントの予定なども公開されているので、興味のある方はぜひチェックしてみてください!
私がつくった蜜ろうラップと鍋帽子
公益法人まほろば:https://mahoroba-st.blogspot.com
おんせん県出身。ドイツ人の夫と、二人の子どもと日独いいとこどりの暮らし。趣味は、糀 を醸して発酵調味料を手作りすること。世界各地に住む日本人の醸し人仲間たちと共に、糀の可能性を研究する「伝統食クリエイター」としても活動。台所はいつも実験室のようになっている。