先日、友人に誘われて、シュトゥットガルト近郊の町ディッツィンゲン(Ditzingen)にある、とうもろこし畑の巨大迷路に行ってきました。ディッツィンゲンの駅から10分ばかり歩いたところに広がるのは、一面のとうもろこし畑。広さ2万5000㎡もの敷地に広がる迷路の全長は、2.5kmにも及ぶそうです。
この迷路のイベントは毎年の恒例行事のようで、今年で第16回目。入り口では、2008年から今日までの8年間に制作した迷路の、鳥瞰写真を展示していました。すべて、いわゆる迷路という形はしていません。毎年違ったテーマがあったようで、そのテーマに基づいた絵を迷路にしていたことが、写真を見ると分かります。例えば、海の生物や風力発電、宇宙、農場、さらには漢字(?)を模したものなど、発想豊かです。今年のテーマは遊園地。ジェットコースターや観覧車、海賊船の絵が迷路のモチーフになっています。
4ユーロの入場料を払ってクイズの質問カードをもらったら、いざ迷路の中へ。この巨大迷路のどこかに、合計4問のクイズの答えとスタンプが隠されています。すべてのチェックポイントを見つけ、スタンプを獲得した人は、賞品がもらえるのだとか。
8年分の巨大迷路の航空写真
3mくらいの高さにまで成長した収穫間近のとうもろこしが、ぎっしりと生えていて、まさに壁のようでした。どこもかしこもすべて同じように見え、町の中にいてもかなりの方向音痴な私の方向感覚は、まったく利きません。これは無理だと思っていたところに、「こっちこっち! スタンプが!」という叫び声が。遊びに来ていたほかの来場者に声を掛けられ、なんとか無事に1個目のスタンプをゲット。なるほど、こんな状況下では、人情味溢れる助け合いの心が何よりも大事です。私たちも早速、「貴重」な情報を次々と拡散しました。
巨大迷路内をぐるぐると歩き回っているうちに、迷路の中央に位置する7mほどの高さの展望台にたどり着きました。これに上って、すぐさまルートをチェック。視界が開け、眼下のとうもろこし畑や周りの山々も望めて、良い景色でした。迷路内で遊ぶ子どもたちの笑い声が絶えず聞こえ、楽しんでいる様子が伝わってきました。
どこもかしこも「とうもろこし」だらけの迷路内
この巨大迷路は、この辺り一帯の土地を所有するSiegleファミリーが運営しているそうです。毎年4月の終わりから5月の初めにかけて種まきをして、とうもろこしが膝くらいの高さに成長したところで測量し、道を作っていくそうです。道は1つひとつ、すべて手作業で作られています。仕上げに迷路の道にはウッドチップが敷かれ、8月初めに開園します。
さて、結果はというと、助けたり助けられたりしながら、2時間近くで3つのスタンプを獲得しました。残り1つは、どうしても見つけることができませんでした。来年もまた挑戦します! ディッツィンゲンのとうもろこし畑の迷路は、毎年夏に出現します。
Ditzinger Maislabyrinth www.ditzingermaislabyrinth.de
中国生まれの日本国籍。東北芸術工科大学卒業後、シュトゥットガルト造形美術大学でアート写真の知識を深める。その後、台北、北海道、海南島と、渡り鳥のように北と南の島々を転々としながら写真を撮り続ける。
www.kakueinan.wordpress.com