シュトゥットガルト市内にFeuerseeという小さな湖があります。Feuerは「火」という意味で、See は「湖」ですから、Feuersee とは「火の湖」という意味になります。調べてみたら、こういう名前の湖がいろいろな町に存在していて、もともとはまだ供水システムができていない時代に作られ、火事等の緊急事態に備えての水源でした。シュトゥットガルトのFeuerseeは、湖の真ん中に小さな半島があり、その島にはヨハネス教会が凛と佇んでいます。その美しい姿は、普段から市民に愛されています。実はつい最近、卓球選手の福原愛さんが結婚してシュトゥットガルトに住んでいるという話が話題になっていますが、素敵なウェディングドレス姿の写真もここヨハネス教会をバックに撮影されたようです。
かっこ良いコーヒーマシーンのある屋台
そして、毎年9月の中旬には、Feuersee祭りがあり、食べ物や飲み物の屋台、デザインショップ、小さなコンサートの舞台などが軒を連ねます。町の中心部に位置しているということもあり、友達に会って一杯飲むのに絶好のチャンス。今年のお祭りは9月14日から17日までの4日間。少々寒かったですが、出かけてみました。実際に足を運び毎年進化しているのを見るのもまた楽しいです。今年はスラックラインの体験コーナーもありましたので私も挑戦してみました。これは近年、公園などでよく見かける綱渡りみたいなスポーツです。ラインは5、6センチぐらいの幅があって、簡単そうに見えますが、弾力性が強く、歩くどころか、立つことも上手くできません。10秒以上無事に上に立つことができたら、1時間のコースを無料で受けられるそうで、通り過ぎる多くの人々の興味を引き付けていました。
水のスクリーンに映し出される不思議な映像
そしてお祭りの目玉はなんといってもこの水スクリーンプロジェクトショーです。HPには詳細がなく、音響付きのインスタレーションとしか書かれていないため、具体的にどういうものなのか想像できませんでした。いよいよ夜8時半、ショーが開始する時間になりました。まだほとんどの人はどこを見れば良いのか分かない様子でした。突然モーターの音がして、湖の真ん中から水が扇型に噴射され始めました。そして、音楽も鳴り響き、なんと、この水でできているスクリーンの上に映像が映し出されていたのです。円形や立方体などの幾何学模様が動いたり回転したりする映像でした。スクリーンが半透明なので、映像の向こうに教会や見物人が見えるのが不思議でした。来年はどんなショーが見られるのか、今から楽しみで
中国生まれの日本国籍。東北芸術工科大学卒業後、シュトゥットガルト造形美術大学でアート写真の知識を深める。その後、台北、北海道、海南島と、渡り鳥のように北と南の島々を転々としながら写真を撮り続ける。
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