ジャパンダイジェスト

ナチュラルコスメのススメ

ナチュラルコスメ昨今ドイツでは、身体、そして環境にやさしい天然素材使用の「ビオ(オーガニック)」商品の開発進歩が著しく、スパやヘアサロンでもこの商品を積極的に取り入れているようだ。それを自宅でも使ってみたいと思っている人は多いはず。そこで、ビオ事情に詳しい自然療法の学生、ヴェーバー理恵さんにヘア、スキンケアの視点から、この国でナチュラルコスメを使いこなす秘訣を聞いてみた。

※文中の「オーガニック」は有機栽培されたもの、「ナチュラル」は自然素材を使用したもの、もしくはそれを主成分としているものを差します。

ナチュラルコスメ事情

近年、ドイツではナチュラル、またはオーガニックコスメの発展、普及が目覚しいですね。

ここ10年程で、ドイツだけでなく欧州全体、あるいは世界的に通用するオーガニックコスメの認定制度が増え、品質が全体的に上がったと同時に、近年の自然志向ブームも相まってドイツのナチュラルコスメ・ブランドの知名度がかなり上がりました。需要が増えたために各ブランドの商品展開も広がり、様々な肌質やニーズに対応できるようになってきています。

ナチュラルコスメの認定ラベルには「Ecocert」「NaTrue」「Demeter」「BDIH」があるそうですが、それぞれどのようなものでしょうか?

Ecocertは、約20年前に設立されたフランスの国際有機認定機関です。同国のブランドをはじめ、世界中のコスメ・ブランドの基準として、国際的に高い評判と信頼を得ています。

NaTrueは、2007年に発足した比較的新しいナチュラルコスメの基準。それぞれのコスメ・ブランドが自ら厳しい基準を作り、ナチュラルコスメ全体の質を上げようというのが同団体のコンセプトで、ドイツのブランドでは、Dr. HauschkaやLogona、laveraなどが加盟しています。

Demeterは、ドイツ人哲学者ルドルフ・シュタイナーが提唱した、バイオダイナミック農法で作られた農産物にのみ与えられるとても厳しい有機認証です。コスメの場合は、成分となる植物がこの農法の規定通りに育てられているか、さらに生産、加工や包装、流通にいたるまで全工程が細かくチェックされます。

BDIHは、2000年にドイツで発足したナチュラルコスメの認証です。ドイツの有名なオーガニックコスメ・ブランドをはじめ、参加しているメーカーは80以上にも上ります。できる限り有機栽培もしくは野生の植物を原料とする、環境に配慮した原料を栽培する、動物性のものを原料としない、合成色素などを使用しない、遺伝子組み換えのものを使用しないなど、様々なチェックをクリアした商品にのみ与えられます。

ナチュラルコスメの認証

ドイツ語、それもコスメ用語に詳しくない場合、自分の目でオーガニック商品を見極めるには成分表示のどこに注目すれば良いのでしょうか?

ナチュラルコスメの成分表示には必ず、どの成分がオーガニック認証を受けているのかが印で示されていますので、注意深く見てみましょう(成分の後に*印などが付いています)。

その他、自分の肌にはどんな成分が合わないのかも考慮に入れると良いでしょう。例えば私の場合はアルコールが体質的にダメなので、クレンジングやシャンプーなど洗い流すもの以外(化粧水やローションなど)は、なるべくアルコールフリーのものを使うようにしています。

また、ドイツ語が読めない方にとって、強い味方となるのが各ブランドのホームページ。Dr.HauschkaやLavera、Logona、Tautropfen、Martinaなど、ドイツのナチュラルコスメ・ブランドは日本でも展開しており、日本語のホームページも充実しています。

ナチュラルコスメでヘア&スキンケア

ドイツのオーガニックシャンプーやトリートメントにはどのようなものがありますか?

Shampoo
laveraのRosenmilch-
Repair-Shampoo

髪質に合わせて選べるように様々な種類のシャンプーがあり、特にLogonaとlaveraは種類が豊富です。コンディショナーやヘアパックなども、各ブランドが展開しています。TautropfenとLogonaからは、北アフリカで採集される粘土「ガッスール(クレイ)」を使ったヘアケア商品が出ています。私はここ3年程、クレイ洗髪をしています。クレイはミネラルが豊富で頭皮に栄養を与え、汚れと余分な皮脂も吸収してくれます。また、100%天然素材なので、排水溝に流れていく水も地球に優しいのです。

ドイツの水で髪を洗うと髪がぱさつく、ごわつく、艶がなくなるといった悩みを抱えている日本人は多いと思います。それを解決してくれるようなヘアケア用品はありますか?

シャンプーの後にコンディショナーを使い、週1回ペースでヘアパックなどをすることで、ある程度は髪のしなやかさと艶を保つことができるでしょう。さらに髪だけでなく、頭皮のケアも忘れずに。ヘアオイルなどで頭皮マッサージをしたり、ブラシで頭皮に適度な刺激を与えると血液循環が良くなり、コシのある髪を保つ手助けになります。

オーガニックシャンプーを使うと、泡立ちが良くないため、「これでちゃんと洗えているの?」と思うことがあります。泡立ちが少ないのには、何か理由があるのでしょうか?

オーガニック仕様でないシャンプーには化学合成物質が含まれていることが多く、それがたっぷりの泡を作っています。一方、オーガニックシャンプーには化学物質が使用されていないため、泡立ちが少ないと感じるかもしれませんが、洗浄力には問題ありません。

また、オーガニックシャンプーも、実はちゃんと泡立ちます!使い始めの方に多い「シャンプーが泡立たない」という状況は、それまで使っていたシャンプーに含まれる化学物質で髪と頭皮が覆われてしまっているせいと言われています。オーガニックシャンプーを使い続けることで、蓄積された化学物質が少しずつ落ちて髪が本来の色と輝きを取り戻すと、徐々に泡立ちも良くなっていきます。

ドイツのナチュラルコスメのスキンケア商品には、どのようなものがありますか?

メイク落とし
Dr. Hauschkaの
Reinigungsmilch

メイク落としは、「Reinigungsmilch」というクリーム状のクレンジングミルクが主流です。ホホバオイルなどの植物性の良質なオイルが配合されているものが多く、使用後はしっかりと潤いが補給され、肌にしっとり感が出ます。

化粧水は「Gesichtwasser(フェイスウォーター)」といって、肌質に合わせて各ブランドから様々な商品が出ています。アルコールフリーのものもあります。化粧水の後は、「Lotion」という乳液とクリームの中間のような質感のもので保湿します。

乾燥気候のドイツで肌の潤いを保つにはどうしたら良いでしょう?

乾燥気候であるだけに、やはり保湿性の良いもののニーズが高いようで、ナチュラルコスメはどれも保湿力が抜群です。顔だけでなく、特に冬は手足もひどく乾燥しがちなので、ボディローションやボディオイルなどで保湿すると良いでしょう。お風呂にバスソルトを入れても肌が潤います。バスソルトは粗塩とお好みのアロマオイルをミックスするだけなので、自宅で簡単に作れます。

美容に効くお勧めの自然食材はありますか?

メイク落とし
オーガニックのお茶

特にお勧めしたいのはお茶です。私のお気に入りはルイボスティー。ノンカフェインでミネラルが豊富に含まれているので、お肌に良いですよ。ハーブティーにもたくさんの種類があり、どれも質が高くて美味しいです。その時の自分の状態に合わせてハーブを選び、ゆっくりとお茶を入れることでリラックスできたり、集中力を高めたりと、精神を安定させることができます。美容とは外見だけでなく、内面からも作り出されるものですから、私はこういうケアも大切だと思います。

Rie Weber (ヴェーバー理恵)
2006年よりベルリン在住。ビオ好きが高じて自然療法に目覚め、09年にイギリスのクラシカルホメオパシーのカレッジに入学。現在はベルリンにて通信クラスで勉強中。ホメオパシーのこと、ビオ商品のこと、ベルリンのビオのお店、ビオの野菜や雑穀を使ったヴィーガンレシピの紹介などブログを通して、ナチュラルなライフスタイルを発信している。 www.biomoreberlin.com

 
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