フランクフルトのボッケンハイム地区に、日本人経営のオーガニックショップ「Distel」があります。ビオの食材からオーガニック化粧品、石けんなどの生活雑貨まで、安全で上質なビオ製品を、きめ細やかなサービスの下で販売しています。今回は、同店で行われたビオワインセミナーについてレポートします。
参加者は1本1本試飲しながら、ギーゼ氏の解説を受ける
ラインガウ醸造発酵技術専門学校で教鞭を執るクリスチャン・ギーゼ氏を講師に迎え、日本語通訳を交えて行われた今回のセミナー。まずはプリント教材に沿って、ワインの概要紹介から始まりました。ドイツワインの糖度や、アルコール度数と発酵の関係などが専門家によって分かりやすく解説され、ワインへの興味が一気に深まります。
続いて、いろいろなビオワインを試飲しながらワインに関する知識を広めます。ワインを味わうには、まず香りから。多種多様な香りを表現した香りチャートが配られ、ワインアロマを凝縮した香りの見本を嗅ぎながら、実際にワインの香りを嗅ぎ分けます。モモやナシなどの果実系から、ミントなどのハーブ系、さらにはハチミツ、なめし革、キノコなど、ワインの香りの表現は驚くほど多岐にわたります。1本また1本と飲み進めるうち、それぞれ複雑に入り交じった香りが鼻腔を刺激し、ワインの奥深さを感じました。
ワインアロマを凝縮した香りのサンプル
この日試飲した白5本、赤1本のうち、私が一番気に入ったのは赤ワイン用のぶどうを白ワインの製法で造った「Blanc de Noir」。白ワイン特有のフルーティーな香りと飲み心地に、赤ワインのようなしっかりとした後味が加わり、初めて味わう美味しさでした。これまでなんとなく飲んできたワインですが、明確で詳細な解説を聞くことで、より深く味わうことができます。また、香りは爽やかでも味は濃厚だったり、甘美な香りを持ちながらも辛口だったりと、香りと味の意外なギャップにも気付かされました。
コルクの代用としてガラスやスクリュー栓が使われる理由やラベルの意味など、その場で抱いた疑問にもギーゼ氏が的確に答えてくれ、セミナーが進むにつれてワインについての知識欲が高まりました。最後は美味しいカナッペとともに、学んだ知識を活かして気に入ったワインをもう一度味わいます。参加者同士の交流も楽しく、あっという間に時間が過ぎていきました。
毎回異なるワインを試飲できるので、参加するたびに新しい発見があります。また、一度参加した人向けに、料理と一緒に味わうレベルアップ講習など、今後も様々なセミナーが開催されるそうなので、ぜひまた参加したいと思います。
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。