ドイツを味わい尽くそう! ソーセージ&ハム事典
ジャガイモやパン、ビールとともにドイツで愛されている食材、ソーセージとハム。特にソーセージは約1500ものバリエーションがあると言われており、地域に根付いた品種が数多く揃うのも特徴だ。ドイツで暮らしているからこそ知っておきたい・味わいたいソーセージとハムの世界をご堪能あれ。 (Text:編集部)
ハム Schinken
調理ハム
Kochschinken
ジューシーな味わいでさまざまな料理に合わせやすい一般的なハム。生ハムに比べ、水分を多く含むため購入後は早めに消費するのが良い。野菜やハーブのほのかな風味が感じられるものやハチミツを使用したマイルドな味わいのものなど、バリエーションも多種多様。
生ハム
Rohschinken
塩漬けして乾燥させるタイプ(Luftgetrockneter Schinken)と、加工せず燻製するタイプ(Räucherschinken)がある。自然乾燥させたハムは、ゆっくりと時間をかけて乾かすため、気候が温暖な南欧の地域での生産が主流。また、燻製ハムは、より寒く湿った地方での生産が適している。生ハムタイプは、熟成することによってほかのハムにはないアロマが感じられるのが特徴。
ドイツ発のご当地 燻製ハム
- アンマーレンダー・シンケン Ammerländer Schinken 北部アンマーラント地方のハム。海塩とブラウンシュガーで漬け、こしょう、香辛料などで味付けをする。肉の品質が高いほど、素材本来のうま味が引き出される。
- ホルシュタイナー・カーテンシンケン Holsteiner Katenschinken 南部シュヴァルツヴァルト地方のハム。にんにく、コリアンダー、こしょう、スパイスなどで味付けをする。同様の手法で作られているベーコン「Schwarzwälder Speck」もある。
- ヴェストフェーリッシャー・シンケン Westfälischer Schinken 西部ノルトライン=ヴェストファーレン州の伝統的なハム。スパイシーな香りが特徴。ドイツの春の味覚、シュパーゲル(白アスパラガス)とともに食べるのがポピュラー。
牛ハム
Rinderschinken
牛のもも肉やクルミ部分(Nussschinken)を使用し、主に自然乾燥か燻製して作られている。カルパッチョにしても美味しい。南部バイエルン州のバンベルクやフレンキシェ・シュヴァイツなどの地域では、「Zwetschgenbaames」と呼ばれる牛肉のハムが食べられている。
鶏ハム / 七面鳥ハム
Geflügelschinken
(Hähnchen Schinken) /
Putenschinken
鶏肉から作られたハムは、さっぱりとした味わいとヘルシーさが特徴。種類には胸肉(Brust)をした使用もの、サラミ、レバーケーゼ、ビアシンケンなどさまざまなタイプがある。トルティーヤサンド、サラダの具材などフレッシュなままいただくのが美味しい。
ラックスハム
Lachsschinken
サーモン(Lachs)から作られているわけではなく、豚の背肉や背脂肉が「サーモン」と呼ばれていること、マイルドでほのかな塩気を感じられるなど味わいがサーモンに似ていることからこのように名付けられた。さまざまな種類のパンと相性が良いのでサンドイッチにしたり、パスタやスープの具材としても使える。
その他食肉加工品
ズルツェ / アスピック
Sülze / Aspik
豚肉や牛肉、鶏肉、野菜、卵をゼリーで固めたもの。ハムが中に入っているものは「Schinken Aspik(Sülze)」と呼ばれている。彩り豊かな野菜を入れることで見た目も華やかで涼しげな食卓を演出することができる。
ベーコン
Speck
日本でもよく目にする一般的なベーコン(Frühstücks speck)、豚の背脂を塩漬けまたは燻製したラルド(Lardo)、豚のほほ肉を使用したグアンチャーレ(Guanciale)、生ハムのように食すパンチェッタ(Pancetta)など海外由来の種類が多い。