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旅ールのすすめ - ビールに会いに旅に出よう

山片 重嘉コウゴ アヤコ 1978年東京生まれ。杏林大学保健学部卒業。ビール好きが高じて2008年から1年半、ミュンヘンで暮らす。旅とビールを組み合わせた“旅ール(タビール)をライフワークに世界各国の醸造所や酒場を旅する。ビアジャーナリストとして『ビール王国』(ワイン王国)、『ビールの図鑑』(マイナビ)、『Coralway』(日本トランスオーシャン機内誌)など、さまざまなメディアで執筆。 www.jbja.jp/archives/author/kogo

暮らすように旅して出会ったベルリンのビール

旅の楽しみの一つに、現地の市場に行くというのがある。地元の人に混ざって、買い物をしたり軽食をつまんだりする。人々の飾らない暮らしを体感できて面白い。今回ご紹介したい市場は、ベルリン9番目の屋内市場、マルクトハレ・ノインだ。地下鉄U1のゲルリッツ駅から徒歩10分ほどのこの場所に屋内市場が建てられたのは1891年。一時は巨大スーパーに取って代わられ閑散としていたが、地産地消のビオ食品などを扱う市場として2011年にリニューアルオープンした。

レンガ造りの堂々とした建物に入ると、高い天井に設けられたガラス窓から光が差し込む開放的な雰囲気。こだわりの野菜や肉、チーズ、パンなどを扱う食材店、デリカテッセン、そして本格的な多国籍グルメが楽しめるフードコートが並び、たくさんの買い物客でにぎわう。

この市場の一角でひときわ人を集めているのが、ビアバーのハイデンペタースだ。提供されるビールは市場の地下貯蔵庫を改装した醸造所で造られており、新鮮そのもの。若者だけでなく、買い物袋を手にした中高年の姿も多く、ここでのビアタイムが生活の一部になっていることが分かる。そしておいしいものの前ではみんな笑顔だ。

オーナーブルワーであるヨハネス・ハイデンペター氏は、ベルリンのアートアカデミーを卒業後、英国で独自のビールとパブ文化に出会ったことで醸造への情熱が高まる。そして自家醸造を経て、現在の場所に醸造所をオープン。古典的なビールからモダンなスタイルまで、気楽に立ち寄れて日常に溶け込むようなビールを製造している。

「Hazy Heidi」はアメリカ東海岸発祥のヘイジー(濁りのある)IPA。パイナップルやネクターを連想させるフルーティーな香りに、はじけるようなホップの苦みが特徴だ。行き交う人々を眺めながらじっくりと味わいたい。

www.heidenpeters.de

vol.81
Hazy Heidi

Hazy Heidi

 
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