秋のドライブは世界的なノンアルビールと共に
色づく木々を眺めながらのお散歩が気持ち良いこの季節。のどの渇きはビールで癒したいところだが、健康を考えて飲酒を控えるときもある。そんな時に重宝するのはノンアルコールビール(以下、ノンアルビア)だ。ビール王国ドイツでも、ビール市場におけるノンアルビアのシェアは年々増加。2023年には7%に達する見込みだ。
ドイツで初めてノンアルビアが製造されたのは1895年。1972年には近代的な製造技術の基礎が築かれたが、意外にも先陣を切ったのは旧東ドイツ側にあるベルリンの醸造所だった。ドライバーに適した飲料として高速道路のサービスステーションで販売されていたのだ。
ノンアルビアを製造する方法は大きく分けて三つある。一つ目は、製造過程で発酵を抑制する日本でも一般的な方法。二つ目は麦汁に酵母を入れないか、炭酸飲料にビール風の味付けをする方法で、そもそもアルコールを発生させない。アルコールが禁止されているイスラム教の国では、この方法でハラル認証されたビールもある。一方、ドイツではいったんアルコールを含んだビールを製造してから、後工程でアルコールを除去する製法が主流だ。これによりアルコール発酵による華やかな香りが楽しめる。
ノンアルコール飲料の定義は国によって異なり、日本では1.0%まで、ドイツでは0.5%までの残留アルコール含有量の飲料はノンアルに分類される。そのためアルコールに耐性のない人や大量に飲む人は注意が必要だ。
ビットブルガー醸造所の「0.0% Premium Pils Drive Alkoholfrei」は、残留アルコール度数が非常に低い。0.0%と小数点以下まで表示することで、残留アルコールの懸念を払拭する狙いだという。口に含むと麦芽の香りがいっぱいに広がり、後口はホップの苦みですっきり。満足感の高い1杯として世界各地に輸出される、ドイツが誇るノンアルビアだ。