気分をシャキッとさせる乳酸菌の甘酸っぱいビール
ベルリーナ・ヴァイセはカラフルな色合いと爽やかな酸味が特徴。その名の通り、ドイツの首都ベルリンで造られているビールだ。
ベルリンは躍動感に満ちた刺激的な街。そして常にドイツの激変の舞台であった。プロイセン王国時代の栄光を感じさせるブランデンブルク門とウンター・デン・リンデン通り、国民を東西に分断した壁、東ドイツ時代の古くなった建物を改装したクラブやギャラリーなど、歴史を感じさせる観光にも事欠かない。街の中心を流れるシュプレー川沿いにはいくつものカフェや公園があり、水面のきらめきを眺めながらのんびりと過ごすのに最適だ。
ベルリーナ・ヴァイセが誕生したのは17世紀半ば。EU内の原産地呼称保護を受けており、ベルリーナ・ヴァイセを名乗ることができるのはベルリンで造られるもののみだ。19世紀には500社以上で醸造されていたと言われているが現在では2社を残すのみ。このビールを造る醸造所の一つ、ベルリーナ・キンドル・シュルトハイス醸造所は、ベルリンのリヒテンベルグ地区にあり、2004年にドイツ最大規模のラーデベルガー社のグループ醸造所となった。
大麦麦芽のほかに小麦麦芽を使用して仕込まれ、発酵にはビール酵母に乳酸菌が加えられる。そのままの状態では白濁した薄い金色のビールで、乳酸菌由来の強い酸味がある。そのためラズベリーやくるまば草(ヴァルドマイスター)などのシロップを加えて飲むのが一般的だ。広口のグラスに注ぎ、ストローで飲まれる。
グラスに注いだ途端、溢れ出す甘酸っぱい香り。フルーティなシロップの甘味とミルキーな酸味が混然一体となって舌の上で踊る。きめの細かい炭酸ガスの刺激が甘味を拭い取り、飲み口はシャープですっきりとした印象。重いコートを脱ぎ捨てて軽やかに歩きたくなるこの季節にピッタリなビールだ。