細貝 萌 FC アウグスブルク
1986年6月10日生まれ。群馬県の前橋育英高校出身。2005年、浦和レッズに入団。高校時代の本職は攻撃的MF で、プロ入り以降は守備的MF を務める。ボランチからサイドバックまで幅広く守備的ポジションをこなしつつ、得点力も発揮する。2011年レヴァークーゼンに完全移籍し、そのままアウグスブルクにレンタル移籍。昨季までは家具付きの家に住んでいたが、本格的にアウグスブルクに腰を据えるため、家具なしの家へと引っ越している。
今年1月に浦和レッズからレヴァークーゼンへ完全移籍した細貝萌。ただ、そのレヴァークーゼンでは出場機会がないことから、当時は2部だったアウグスブルクにレンタル移籍中だ。移籍直後の2部時代は出場機会に恵まれなかったが、今季1部に昇格してからはチームの要として活躍中。スポーツ専門誌キッカーでも『アウグスブルクの新リーダー』という企画が組まれるほど、客観的に見ても中心的存在となっている。試合中、前後左右の選手に身振り手振りで指示を出し、プレーの切れ目でその都度話し合いをする細貝の姿は、観ていて頼もしい。
本来のポジションは日本代表で務めているボランチ。ダブルボランチならば、攻撃的な選手と組み、中盤の底で体を張れるタイプだ。特別サイズが大きいわけではないが、フィジカル面の強さでボールを奪い、そこから攻撃を組み立てる能力に長けている。「奪って、その後は味方に生かされるタイプ」と、彼自身は分析する。
だが、長谷部誠や槙野智章と同じく、彼もまたチームの事情で守備的なポジションを点々とさせられた。負傷者が出れば左でも右でも、サイドバックをこなす。ホームのレヴァークーゼン戦では、1週間前からずっとボランチで戦術練習をしていながら、相手のフォーメーションをコーチング・スタッフが知った試合の30分前に、右サイドバックでの先発を告げられたこともあった。「とにかくその30分でイメージを作った」と、困惑しながらも対応する柔軟性を示した。一方で、マンマークでの強さも買われているから、90分を通して相手のトップ下の選手にマンマークを託されることもある。例えば、ブレーメンのマルコ・マリンなどは、きれいに封じ切った。また、今季3得点(第13節終了時点)と、守備的な選手ながら得点力も抜群。「セットプレーでは前に上がって良いことになっているし、自分のやり方を味方に伝えてある」と、自信も垣間見せる。ただ、チームは現状最下位。とにかく勝ち点が欲しい。後がない状態でひたすら上昇するため、日々奮闘中だ。
ブンデスリーガ戦力分析
第13節の行われた週末、ケルン対マインツ戦の主審が自殺を図ったという衝撃的なニュースが飛び込んできた。未遂に終わっているが、試合当日の出来事に、ドイツ中が驚きに包まれた。
さて、その第13節。首位を独走中のバイエルンが2位ドルトムントに敗れた。プレーの面でも精神面でもチームの支柱であるシュヴァインシュタイガーを、欧州CL での負傷のため欠くことが、バイエルンの戦力ダウンにつながっている。もちろん、ベンチメンバーは豪華だし、負傷していたロッベンも先発復帰したのだが、ドルトムントはうまく戦った。
このほか、意外にも好調を続けるのがメンヒェングラットバッハとシャルケ。共に昨季終盤は苦しみ、メンバー変更もさほどない。シャルケにいたってはノイアーを失うなど、戦力ダウンしているはずなのに、快進撃を続けている。現時点での28ゴールはバイエルンに次ぐ2位で、ドルトムントを上回る。フンテラールの好調ぶりに若手の躍進と、複数要素が絡み合っての勝利だけに、簡単には崩れないだろう。
日本人選手の状況は、香川真司と内田篤人がそろそろ本格的に戦線復帰の模様。香川は開幕から出場し続けてきたが、ようやく本来のパフォーマンスを取り戻してきた。内田は負傷から復帰し、再び高い評価を得ようとしている。日本人選手の出場試合を観戦するなら、ドルトムントかシャルケの試合が一番確実だ。チケットは事前に購入できないことも多いが、スタジアムの周辺まで行くと、案外購入手段があるので、現地に行ってみるのが一番オススメ。