週末にあちこちの広場で行われる野外マーケットを訪れるのは、ベルリン生活の楽しみの1つだ。先日、ある知人の女性がシェーネベルク地区のヴィンターフェルト広場のマーケットに行くというので、一緒に回ることになった。私も家族とたまに行くところではあるが、近くに住む彼女はもっと頻繁に通っている。
色とりどりの食材が並ぶヴィンターフェルト広場の野外マーケット
土曜の朝、U7のEisenachstraße駅で降りて、ゴルツ通りを北に向かって歩くと、マーケットが行われる広場に面した聖マタイ教会の塔が見えてきた。自転車でやって来た知人とこの前で落ち合う。普段の週末からすれば私たちには早い時間だが、彼女によれば、「朝早くに行くとお店の人も余裕があるし、会話が生まれやすい。そのうち彼らと顔なじみになるのよ」とのこと。そこで売られている野菜や果物が、どういう土で育ったものであるかを話してくれる人もいるという。なるほど、そういうものかと納得した。確かにヴィンターフェルト広場の市はベルリンでも有名なので、私たちが通常訪れるお昼前はすでに大混雑になっている。
夏の日のマーケットの様子
教会の真横でまず立ち寄ったのが、ブランデンブルク州産の野菜と果物を扱うお店。例えばブルーベリーには品種によって酸味や甘みの強弱があるのだが、ここでは試食をしたり味の好みを伝えたりしながら探すことができる。すでにブルーベリーのシーズンの終わりに近く、種類は限られていたが、1パック(3.5ユーロ)買って試してみたら、酸味と甘みのバランスが絶妙。ブルーベリー本来の味を堪能した。通常スーパーで買うより多少高めだが、これだったら毎週買いに来たいと思ったほど。
この広場には、朝食やランチが取れる屋台もたくさん並んでいる。ラクレットのお店に寄ってみた。バゲットの上に、熱してトロトロに溶けたチーズを注ぎ込む。チーズ独特の強い匂いが立ち込めるなか、その仕草を見ているだけで、食欲がかき立てられる。
チーズこそは、試食をしながら買うのに最適な食材だろう。少しずついろいろな種類のものを試せるのも良い。広場の中ほどにある屋台に行った。ワイン好きの知人のすすめで、ブルーチーズを買ってみた。濃厚な塩味の中にもクリーミーさが溶け合い、ブルーチーズ系独特の香りが苦手な妻もこれはおいしいと言う。
そこからさらに魚屋、肉屋に立ち寄り、搾りたてのザクロジュースを飲んだり、パン屋でケーキを買ったりしているうちに、あっという間に2時間が経っていた。地元や周辺の地域のみならず、隣国のポーランドから朝早くにやって来て食材を売っている人たちにも出会った。りんご1つとっても形や色が違うのだから面白い。店を出している人たちは皆それぞれの土地で大切に育てたものを、誇りを持って売っている。
やはり評判の高いものは人々が列をなし、早いうちに売り切れる。早起きは三文の得と言うが、朝早く訪れる野外マーケットもその1つか。
ヴィンターフェルト広場の野外マーケット
Wochenmarkt Winterfeldtplatz
シェーネベルク地区の広場で行われるマーケット。最寄駅は地下鉄のNollendorfplatz駅。水曜にも開催されるが、土曜の市に比べると規模ははるかに小さい。この広場はベルリン西地区の開発により、1890年に完成。18世紀の七年戦争の軍人だったハンス・カール・フォン・ヴィンターフェルトにちなんで名付けられた。
オープン:水曜8:00〜14:00、土曜8:00〜16:00
住所:Winterfeldtplatz, 10781 Berlin
URL:www.winterfeldt-markt.de
ヴィンターフェルト・ショコラーデン
Winterfeldt Schokoladen
19世紀末に創業した薬屋を改造して生まれたチョコレート屋&カフェ。重厚な雰囲気の店内で飲むホットチョコレートは味わい深い。マーケット巡りはどうしても立ちっぱなしになってしまうが、ヴィンターフェルト広場周辺にはゆったりくつろげるカフェやレストランがたくさん並んでいる。
オープン:月曜〜金曜9:00〜20:00、土曜9:00〜18:00、日曜12:00〜19:00
住所:Goltzstr. 23, 10781 Berlin
電話番号:030-23623256
URL:www.winterfeldt-schokoladen.de