昨年5月、デュッセルドルフのそろばん学校「Bingo!Soroban School」がフランクフルトにも教室をオープンしました。毎週金曜日に開講されているそろばん教室に、先日娘と一緒に体験に行き、主宰の山片重信さんにお話を伺いました。
学習塾やスキー教室など、長らく子どもの教育に携わっていた山片さん。ツールとしてのそろばんの利点に注目し、そろばん教室開講に至りました。そろばんの一番の魅力は「とにかくそれ自体を楽しめること」で、簡単な原理を学べば、そこからは自分で学び、成長し、楽しむことができるそうです。また昇級試験を受けることで子ども自身も上達を実感。一人ひとりの能力に合わせて目標を設定し、それを達成することで自信をつけられるので、技術だけでなく精神面での成長も期待できるのだとか。
進んで授業に参加する元気な子どもたち
授業では始業早々、子どもたちが伸び伸びと積極的に発言。笑いが溢れる楽しそうな雰囲気でスタート。そろばんに取り掛かる前に「誰の机がかっこいい?」「それはどうして?」と子どもたちへ疑問を投げかけて、整理整頓を促します。「机の上を片付けなさい」と指示するより、自分で考えて行動するような声かけをし、子どもたちも納得して机を片付ける姿が印象的でした。
さまざまな年齢の子どもたちが、各自のレベルに合わせた問題に挑戦。先ほどとは一転、みんな集中して黙々と問題を解き進めていきます。簡単な基本を教わっただけの娘が次々と問題を解くことができたのには、私も驚きました。先生は問題を採点しながら、手間取っている生徒がいるとヒントを与え、自分で正解へとたどり着けるように導いていました。教室内では失敗しても良いとの方針で、そろばんが得意な子どもに先生役をさせたりと、難易度が上がっても子どもの主体性に任せた指導を心がけているそうです。
左から本田綾子先生、山片重信先生、メルヒャー華代子先生
勉強というより、楽しみながらゲーム感覚で課題をクリアしている様子で、自然と上達しているのが素晴らしいですね。娘も、もっと習いたいと言うほど楽しんでいました。そろばんはもちろん、ここの先生方の指導を受けさせたくて子どもを通わせていると語ってくれた保護者もいるほどで、正しいツールと的確な指導で多角的な子どもの成長が期待できそうです。
新型コロナによる教育施設の閉鎖措置を受け、3月からはオンライン授業に。自宅学習の教材をはじめ、写真や建築などの特別講義も提供。休校中も豊かな教育機会を失わずに済むのは、大変ありがたいですね。
Bingo! Soroban School:https://soroban-schule.de
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。 Twittter : @nikonikokujila