7月5日から9日までの5日間、「フランクフルトファッションウィーク」が開催されました。パリやミラノ、ニューヨークなどを中心に世界各地で行われているファッションウィークですが、フランクフルトで開催されるのは今年が初めて。昨年6月のコロナ禍の最中に、それまでベルリンで開催されていたファッションウィークのコンテンツを、フランクフルトに移行して開催することが決まりました。今後数年間、持続可能性とデジタル化をテーマに、ファッションデザイナーやブランドを招いて年2回のファッションウィークが開催される予定だそうです。
街角ポスター(Mina Pavicevic、Annkathrin Clarke、Solange Richter)
開催に先立ち6月末から、モード・デザインアカデミーの学生たちがデザインしたポスターが、市内のあちこちで張り出されるようになりました。ポスターにはQR コードが付いていて、バーチャルコンテンツにアクセスできます。というのも、今回はコロナ禍であることを鑑みて、大部分のイベントはバーチャルで行われたのです。持続可能性をメインテーマとして、講演会やパネルディスカッション、ワークショップが開かれ、さらに国連とも協力した「SDGs サミット」など、ファッション業界の未来について積極的な意見交換や議論が繰り広げられました。
ダンスパフォーマンスを取り入れたショー
ほとんどのイベントがデジタル化して開催されるなか、リアルでの本格的なファッションショーがホテル「シュタインベルガー・フランクフルトホフ」で開催。会場は街の中心部に位置する、歴史と風格を併せ持つフランクフルトを代表する老舗ホテルです。ここの中庭で、マインツ出身のファッションデザイナー、アンニャ・ゴッケルさんの新作発表会を兼ねたショーが開かれました。
重厚感のある建物に囲まれた石畳の会場が、ショーの雰囲気をさらに美しく際立たせます。ファッションショーというと、モデルが次々にステージを歩いては去っていくイメージでしたが、単なるキャットウォークだけに留まらず、ダンスを取り入れたアクロバティックな表現も。華やかな演出で洋服のドレープが優雅に波打ち、しなやかな動きとコレクションの美しさに魅了されました。
重厚な建物に囲まれた中庭での躍動感ある演出
バーチャルがメインとなった今回のファッションウィークでしたが、制限のあるなかでもデジタルをうまく活用し、工夫を凝らして実施されたショーは素晴らしかったです。今後の展開を期待させてくれる5日間となりました。次回は来年1月17日(月)~21日(金)に開催予定です。
フランクフルトファッションウィーク:https://frankfurt.fashion
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。 Twittter : @nikonikokujila