フランクフルトから車で30分、タウヌス山地の美しい自然に囲まれた場所に「ヘッセンパーク」という野外博物館があります。今年で50周年を迎えるこの博物館は、単なる観光地ではなく、400年にわたるドイツの歴史と文化が息づく場所。まるでタイムトラベルをしているかのような体験ができます。
厳禁です
最大の魅力は、18〜20世紀初頭までのさまざまな建物がヘッセン州にあったものを中心に、移築・再現されていることです。ドイツの伝統的な木組みの家をはじめ、当時のお店や学校、教会、農家、さらに風車や乗り物など、当時の建物などがそのままの姿で保存されています。さらに、実際にそれらの内部に入ることもできます。
建物の内部では、家具や食器、工具、機器などが再現されていて、当時の生活の様子がリアルに伝わってくるようです。風車の中に入ると、上まで登ることもできました! 各建物ごとに異なる時代と地域の特色、当時の住人の生活の様子を見ることができ、建物を巡るだけでも見応えたっぷり。さまざまな人のお家に勝手に入るような不思議な感覚で、思わずドアを開けるたびに「おじゃまします」と言ってしまいました。
電話交換局前の公衆電話。受話器を上げると、勢いよく声が聞こえてびっくりします!
さらに、建物の見学だけではなく、伝統的な職人技術も体験することができます。鍛冶職人や織物職人、木工職人といった、昔ながらの技術を持つ職人が博物館に常駐。まるで実際にそこに住んでいるかのような彼らの作業を間近で見ることができます。週末にはワークショップも開催され、昔の石窯でパンを焼く体験や、ろうそく作り、陶芸、農作業体験などがあります。大きな遊具もあるので、子どもから大人まで楽しむことができますよ。
さまざまな機器の展示の中で、「日本の電卓」としてそろばんがありました
広大な敷地内にはレストランやカフェもあり、地元の食材を使ったドイツ料理を味わうことができます。リンゴ入りマスタードのソーセージは、特においしかったのでぜひ食べてみてくださいね。イベントも目白押しなので、訪れるたびに新しい発見があるのもヘッセンパークの魅力です。私が訪れた日には、ウェディングフェアが開催されていて、昔の結婚式場を見ることができました。特に冬のクリスマスマーケットが穴場かつ人気とのことで、人混みが苦手な方でも楽しめそうですね。
ドイツの歴史と生活に対する理解が深まり、ドイツ暮らしがもっと好きになりました。皆さんも、プチ旅行で一度訪れてみてはいかがでしょうか。
ヘッセンパーク:www.hessenpark.de
1992年生まれ、岡山県出身。B型。転職のため2023年4月よりフランクフルトに移住。休日は家に引きこもりがち。現在の目標は出不精の克服。将来の夢は、愛犬と欧州50カ国を巡ること。