去る5月12日、13日の2日間、フランクフルトで「ヴォルケンクラッツァー・フェスティバル(Wolkenkratzer Festrival)」が開催されました。その名の通りWolkenkratzer(摩天楼)が主役のお祭りです。今回は金融街とメッセの15の高層ビルと、オペラ座とメッセ周辺の広場が会場となりました。会場となったビルは一般公開されましたが、この中に入るための入場券は8万枚限定の予約制。予想以上に入手が困難だったので、今回は地上から見学して来ました。
普段なら会場一帯はビジネス街です。それがこの2日間は、ビールやスナックを片手にそぞろ歩く人の群れやインビスの屋台、音楽や子どもたちの歓声に占拠されているので不思議な感じがします。会場となった各建物の正面では、コンサートや大道芸などの催しが賑やかで、また、15の摩天楼を結ぶスタンプラリーの企画もあり、数キロメートルに及ぶパーコースはいつも人で溢れ返っていました。オペラ座とメッセ付近の広場に置かれた大規模な特設ステージでは、クラシックから最近のヒットソングまで、多彩な屋外コンサートが開かれていました。
このお祭りでは「高さ」も大事なキーワードです。綱渡りや空中ディナー、パラシュートなど空中でのショーはもちろん、バンジージャンプなどの体験アトラクションも摩天楼に匹敵する高さから行われます。警察の特殊部隊や消防隊員によるビルへの出動実演、はたまた摩天楼で挙げる結婚式など意表を突いたプログラムもあって驚きです。
2日間の来訪者は約120万人に上ったそうです。日頃は接する機会が少ないとは言っても、町のランドマークはやはり摩天楼。その存在感をアピールした、フランクフルトらしいお祭りだったと言えるでしょう。
九州出身。2003年よりフランクフルト在住。ヒマさえあれば美味しいお店の開拓とダンスに明け暮れている。旅行・映画・仕事など、人生を楽しくしてくれるものは何でも好き。