アッフェントーア Affentor
「かわいい!」。そう言って思わず手にしたくなるカバンに出会いました。しかもフランクフルトのオリジナルブランドで、すべてのカバン が一点もの、その上、環境にも社会福祉にも役立ってしまう魔法のようなカバンです。
ブランド名はアッフェントーア。この名前は、フランクフルト市内にある活動拠点の所在地に由来するそうです。ポップな柄やアニマルパターンのショルダーバッグ、60年代風のレトロなポーチにシックな書類カバンなど、見ているだけでワクワクするデザインばかりですが、素材はすべて古着や古布とのこと。シンプルな形でも、ひねりを利かせたフォルムでも、一点一点手作業で丁寧に製作され、仕上げには一点ものの証であるシリアルナンバーがつけられます。自分だけのオリジナルカバンだということを感じられる粋な計らいです。
カジュアルな店内。店員さんもとても気さくでした
アッフェントーアを支えるのは若きデザイナーと元失業者の女性たちです。このブランドは、もともと長期失業中の女性たちを救済するプロジェクトとしてスタートしました。様々な事情により再就職が困難な女性たちには縫製の技術を、活躍のチャンスが少ない若いデザイナーには創造のステージを与え、そのコンビ ネーションによって商品を創り出し、活路を拓くというのがその目的です。
ディスプレイからも手作り感とエコ意識が伝わってきます
かわいらしいデザイン、共感を呼ぶコンセプト、リーズナブルなお値段という魅力を持ち合わせたカバンたちが、人を惹きつけないはずはありません。フランクフルトの大聖堂近くにあるアッフェントーアのショップでは女性客の姿が絶えることはなく、2週間から3週間のペースで店内の商品のほとんどが入れ替わってしまうそうです。世界中でただひとつの自分だけのカバンという嬉しさと、誰かの幸せのお手伝い もできるという喜びが、アッフェントーアの人 気の背景にはあるのかもしれません。
ショップは大聖堂のほど近く。オレンジの看板が目印です
九州出身。2003年よりフランクフルト在住。ヒマさえあれば美味しいお店の開拓とダンスに明け暮れている。旅行・映画・仕事など、人生を楽しくしてくれるものは何でも好き。