2000年以来、フランクフルト市は都市計画の一環として、マイン川沿いのイルミネーションの整備を進めています。多種多様なライトで照らされたプロムナードや建築物は、日中にはないムードを醸し出してくれます。川べりで夜景を眺めながら夕暮れを過ごす、これが夏時間の楽しみというフランクフルト市民も少なくないはずです。
さらに5月から9月の間は、観光船会社の夜景クルーズも催行されます。私もボートの上で夏の宵を楽しんでみようと、「PRIMUS LINIE」という観光船会社が主催するSky- Light-Tourに参加してみました。日が落ちる頃合に出発する約50分間のクルーズです。
ボートはフランクフルトの代表的な観光船 Wappen von Frankfurt
平日の夜にも関わらず、出発間際にはボートのテラスが満席になりました。観光客がもちろん多いのですが、バーやカフェに行く代わりにクルーズに参加したといった感じのカップルやビジネスマンも多く見受けられます。
レーマー広場近くの停泊地から出発したボートは、最初に隣町のオッフェンバッハ方面へ向かいます。ライトアップされた橋を幾つかくぐると、フランクフルトの夜景を一望できるベストポジションに到着です。船上で眺める夜景は予想以上に美しくロマンチックで、あちこちでカメラを構える人の姿が見られました。
ボートは一度Uターンして、反対側からも夜景を眺められるポジションへ向かいます。マイン川に架かるフランクフルトのすべての橋、川沿いの美術館通りや金融街、プロムナードなど、どれも見慣れているはずなのに、趣向を凝らしたイルミネーションに照らし出された風景はとても新鮮に映りま す。また夕闇の中で感じる夏の風は、心身ともにリラックスさせてくれるように感じられました。
夏時間の楽しみが、また新たにひとつ加わったかもしれません。
テラスはあっという間に満席に
九州出身。2003年よりフランクフルト在住。ヒマさえあれば美味しいお店の開拓とダンスに明け暮れている。旅行・映画・仕事など、人生を楽しくしてくれるものは何でも好き。