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身近なコミュニティーのために 助成金活用のすすめ

読者の皆さんのなかには、「こんなことを地域で実現したら皆のためになるのでは」といったアイデアを持っている人もいるかもしれません。そんな時は、地域を対象とした助成金を探してみてはいかがでしょうか。数百ユーロ~数千ユーロ、数万ユーロを超える助成金を提供しているプログラムもあります。

私自身、昨年末にザクセン州の芸術文化財団「Kulturstiftung des Freistaates Sachsen」(www.kdfs.de)によるウクライナ支援プログラム「Kulturfonds Sachsen-Ukraine」の助成を受けて、イベントを実施しました。このプログラムは、ウクライナから避難してきた人たちに関連する芸術文化活動を支援するものです。

私が実施したイベントは、ウクライナの映画を観ながら夕食会を行うというもの。上映したのは『Pryvoz』という映画で、ウクライナの港湾都市オデッサにある、巨大なマーケットPryvozの日常をとらえた詩的なドキュメンタリーです。ボランティアのメンバーたちと一緒に映画を選ぶところから始まり、当日は前菜、ウクライナ発祥の伝統的なスープであるボルシチ、デザートを料理しました。イベント当日は寒い雨降りの日でしたが、地元の人たちとウクライナからライプツィヒに移った人たちが皆で映画と食を楽しみ、交流を深めることができました。

ウクライナ映画を観ながらの夕食会ウクライナ映画を観ながらの夕食会

もう一つ、私の友人が助成金を活用したエピソードを。ライプツィヒ郊外に住む友人一家は、子どもが通っている地域の幼稚園の隣に自然豊かな空間を作る「Naturkindergarten der Kinderstube Brandis」というプロジェクトを中心になって進めています。土地を用意して、木や植物を植え、子どもたちや家族、地域の人たちが利用できるようにするには資金が必要でした。そこで寄付を集めるとともに、彼らが頼ったのは「simul Mitmachfonds」(www.simulplusmitmachfonds.de)をはじめとする助成金。助成を受けて整地や植樹を進め、子どもたちと地域のための自然豊かな空間が着々と作られています。

幼稚園の横の敷地では植樹が進行中幼稚園の横の敷地では植樹が進行中

ここまで読んで、助成金を利用してみたいけれど「どうやって見つけるの?」と思った人もいるかもしれません。このような助成金は、州のイベントサポートプログラムやアイデアコンテストなどを検索すると見つかることがあります。普段から地域のコミュニティーで活動したり、周囲の人とアイデアを共有したりしていると、助成金の情報を共有してもらえることも。

助成金で作った貯水槽から水をくみ上げる子ども助成金で作った貯水槽から水をくみ上げる子ども

助成を受けるとお金に対する責任が発生しますが、それだけに一層やりがいも感じられます。また助成金を利用するとプロジェクトを格段に進めやすくなり、プロジェクトの認知度も上がって周囲からの協力も得られるはず!地域のコミュニティーのための活動のアイデアがあるという人は、ぜひ助成金の申請を検討してみてはいかがでしょうか。

髙橋 亜希子(たかはし あきこ)
IT系の翻訳者・プログラマー。オーストリア、インドを経てドイツへ。ライプツィヒには2016年より在住。三度の食事と、手に入らない食材を自分で育てるのが何よりの楽しみ。古巣のアート分野に戻ることを夢見ている。
 
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