ジャパンダイジェスト

開館150周年のグラッシー博物館 特別展「未来 - 明日の素材とデザイン」

ライプツィヒというと、音楽の街というイメージを持っている人も多いかもしれませんが、 実は音楽だけでなく、芸術やデザインといった幅広い文化が根付いている文化都市でもあります。そうした多様な文化の象徴的な存在ともいえるのが、グラッシー博物館ではないでしょうか。

ライプツィヒ中心部に位置するグラッシー博物館ライプツィヒ中心部に位置するグラッシー博物館

グラッシー博物館は、ライプツィヒ中心部のアウグストゥス広場から徒歩約5分の所に位置しており、地元の人にも観光で訪れた人にもアクセスしやすい場所にあります。建物の中には三つの博物館が入っており、応用美術、民俗学、そして楽器の展示を観ることができます。

なかでも私のイチオシは応用美術の展示です。街中で気になる展示の広告を見かけては、年に数回足を運んでいます。今回訪れたのは、「ZUKÜNFTEMaterial und Design von Morgen」(未来 - 明日の素材とデザイン)という特別展示で、グラッシー博物館の150周年記念特別企画の一環として昨年11月から開催されています。

静けさの中で観て回る特別展静けさの中で観て回る特別展

この展示では、過去150年間の応用美術とデザインの歴史を振り返りつつ、未来の素材やデザインの可能性に焦点を当てています。気候変動や資源の枯渇といった現代のグローバルな課題に対し、アーティストやデザイナーたちによって、再利用資源や新素材を用いた革新的な解決策が提示されています。どの作品も目を引くもので、展示方法にも趣向が凝らされていましたが、私自身フードビジネスやアート、デザインの分野で仕事をしていることもあり、特にジュースを絞った後の野菜や果物の搾りかすを再利用した再生素材に興味を持ちました。

グラッシー博物館は、中心地にある割に穴場スポットで、大混雑で落ち着いて展示が観られなかったということがこれまでに一度もなく、安心して足を運べる美術館の一つです。今回訪れたのは、休日の朝早くだったのですが、ほとんど来場者がおらず、ものすごく静かな中で、展示の世界に没入するように展示物を観て回れました。

ジュースの搾りかすから作られた再生素材ジュースの搾りかすから作られた再生素材

常設展や企画展のほかにも、グラッシー博物館では広い中庭を生かした手工芸のマーケットや、仕事帰りに立ち寄れる夕方のイベント、ワークショップなど、さまざまな催しを訪れることができます。どの博物館の展示も見応えたっぷりなので、ぜひグラッシー博物館を訪れてみてください。今回ご紹介した特別展は、今年8月24日(日)まで開催されています。

髙橋 亜希子 たかはし あきこ
IT系の翻訳者・プログラマー。オーストリア、インドを経てドイツへ。ライプツィヒには2016年より在住。三度の食事と、手に入らない食材を自分で育てるのが何よりの楽しみ。古巣のアート分野に戻りつつある。
 
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