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見どころいっぱい!新しくなった司教区美術館

7300万ユーロ、つまり約100億円(!)をかけたリニューアル工事をへて、ミュンヘン近郊の街フライジングにある司教区美術館(Diözesanmuseum)が昨年10月、9年ぶりにオープンしました。内容やコンセプトはそのままに、建物はよりモダンに生まれ変わっています。まさに伝統と革新がうまく融合されている!と驚きました。

リニューアルオープンしたフライジング司教区美術館リニューアルオープンしたフライジング司教区美術館

フライジングは一般的に、空港の近くに位置すること、そしてミュンヘン工科大学(TUM)のキャンパスの一部や1040年から続く世界最古のビール醸造所であるヴァイエンシュテファン(Weihenstephan)があることで知られていますが、実はそれだけではありません。ミュンヘンと比べても、フライジングは居住地しての非常に長い歴史があります。中世初期にはバイエルン州の宗教的中心地となり、今なおカトリック教会の大司教区が置かれています。そんなフライジングでは、歴史を感じさせる大聖堂やレジデンツがそびえ立ち、街歩きがとても楽しめます。

司教区美術館の裏には、フライジング大聖堂があります司教区美術館の裏には、フライジング大聖堂があります

今回は、駅から徒歩圏内のドームベルクという丘の上にある、司教区美術館の特別展「VerdammteLust! Kirche. Körper. Kunst」に行ってきました。直訳すると「どうしようもない欲望! 教会、身体、芸術」といったところでしょうか。教会の性的虐待問題が議論されるなか、リニューアルオープンしたばかりの司教区美術館が「宗教と性」に関する展示を開催したことに、歴史的に難しいとされてきたテーマにもしっかり向き合うべきだという姿勢を感じました。レオナルド・ダ・ヴィンチやティントレットをはじめとする、古代から19世紀初頭までの数多くの作品がまさにその背景を映し出しています。こちらの展覧会は5月29日(月)まで開催されています。

司教区美術館には、ほかにも教会にまつわる4万点以上の作品があります。その常設展示と特別展示が素晴らしいのはもちろんのこと、私は美術館そのものにも魅了されました。入り口の大きな扉を開くと、白を基調とした洗練された内観に、天窓から差し込む日差し、そしてベルギー出身の彫刻家ベリンデ・デ・ブリュッケレ作の迫力ある銅像に迎えられます。奥には、米国の現代美術家ジェームズ・タレルによる光と空間を題材とした作品も常設されており、火曜~日曜の11~12時、14~15時に体験することができます。

また館内にはすてきなレストランがオープンし、フライジングが見渡せるパノラマビューのテラス付きです。今後、フライジングにとって欠かせない名所になる予感がします。

美術館からの景色は絶景!美術館からの景色は絶景!

さて、私がレポーターとして記事をお届けするのは、今回が最後となりました。私自身もこの2年間、レポートを通してミュンヘンの新たな一面を知ることができました。ありがとうございました!

フライジング司教区美術館:www.dimu-freising.de

大浦 詩織カミラ(おおうら しおり)
ミュンヘン生まれ、10歳ごろから京都育ち。大学卒業後、再びミュンヘンに戻る。もともと異文化教育や日独間のコミュニケーションに興味があり、ドイツのPR会社Storymakerに就職。J-BIG編集部として、在独日系企業の情報発信も行っている。 www.j-big.de

 
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