先日、友人の一風変わった結婚式に参加してきました。ドイツの結婚式はゼロから新郎新婦がすべて計画と手配をする、いわゆる「手作りウェディング」が主流で、式場の候補も教会はもちろん、お城や動物園、キャンプ場などさまざまです。最近日本の若い人の間で流行となっているアウトドアウェディングですが、ドイツでも大変人気が高まっています。
サーカスワゴンはテラス付き
今回の結婚式は友人夫婦がすでに半年前から計画していて、招待したのはなんと大人130人、子ども45人という大人数。会場はシュトゥットガルト南東60キロぐらいの街ミュンジンゲンの郊外にある、ホーフグット・ホップフェンブルクというキャンプ場でした。みんなで金曜からキャンプ場に集まり、合わせて二泊三日の盛大な「お祭り」を一緒に楽しみました。
サファリテントの中の様子
到着して、まずは自分たちのテントにチェックイン。テントのタイプはインディアンティピ、モンゴルゲル、サファリテント、サーカスワゴン……と、なかなか楽しそうです。それぞれのテントにはベッドが用意されていて、水道と冷蔵庫がない以外、ほとんど一般的なホテルと変わりません。チェックインを済ませてから、敷地内一周の散歩に出かけました。かなりの広さです。テント以外にもアパートタイプの宿泊施設、披露宴用(普段は毎日朝食を提供)の大きい会場などがありました。また、動物小屋にはこのキャンプ場のアイドルであるかわいいロバや羊の姿も。それぞれのタイプのテント6〜7個ずつが1カ所に集まっていて、そう遠くない所に必ずちょっとした木の小屋とバーベキュー用のグリルが設置されています。ほかにもトイレや24時間利用可能なシャワーなど、設備が十分に整っていました。さらに、子どもから大人まで遊べるさまざまな遊具も充実。実はこのキャンプ場は、2018年のヨーロッパキャンプ場アワードの空間デザイン部門で2位に選ばれるほど優れている場所なのです。
夜のサファリテント
結婚式当日は晴天に恵まれました。まずはシャンパンで乾杯した後、みんなでキャンプ場の外の森へ移動。芝生の上で結婚セレモニーを行い、ウェディングケーキの入刀、それから新郎新婦の親族によるさまざまなワークショップが開催されました。ヨガやワインの試飲、ビーチバレーの試合など、まさにお祭り状態! その後は披露宴と余興タイム。新郎新婦の子ども時代の話をネタに作った歌を聴きながら、おいしい料理を食べ、みんなで大声で笑い、楽しく過ごしました。
もちろんウェディングだけでなく、家族連れにもおすすめのスポットです。アウトドア好きの方も初心者の方も、ぜひ訪れてみてください。
ホーフグット・ホップフェンブルクキャンプ場:www.hofgut-hopfenburg.de
中国生まれの日本国籍。東北芸術工科大学卒業後、シュトゥットガルト造形美術大学でアート写真の知識を深める。その後、台北、北海道、海南島と、渡り鳥のように北と南の島々を転々としながら写真を撮り続ける。
Instagram : @einankaku