シュトゥットガルトの街の中心部を歩くと、いつの間にか小さなアジア料理の店がかなり増えてきたような気がします。本格的な家庭料理や、アジア人のわれわれにとってお馴染みのスイーツが手軽に楽しめるようになりました。しかも、店内には今風のデザインが施され、なかなか小ぎれいで感じのいいお店ばかり。今までのドイツのアジア料理のイメージを大きく変えていく、グローバルな時代の流れを感じます。今回のレポートでは、ここ数カ月で食べ歩いてみた所をまとめてみました。
「Teespresso 茶伴」というお店では、最近日本でも大ブームのタピオカミルクティーが買えます。ほかにも、ONIGIRIなどの軽食もあり、シュトゥットガルトでは珍しく、お店の前にはいつも行列ができています。その斜め向かいには「Mi Bao」という中華のストリートフード店。ライスバーガーのほか、蒸しパンバーガー、中国の朝ごはんによく食べられている屋台フードのチェンピン・クレープなど、バラエティー豊かです。さらに、そこから歩いて3分のところにある韓国料理の「Kim's So」 では、本格的なビビンバと韓国巻き寿司のキンパが絶品。
多くの人で賑わう「Teespresso 茶伴」の店の前
中華料理を気軽に楽しみたい方には、中国の家庭料理をコンセプトにしたファーストフード店「KuaiStyle」がお得です。10数種類のおかずから好きなものを選び取るスタイルで、2〜3品を頼んでも10数ユーロ程度の値段でおいしくいただけます。ほかにもワンタンや中華麺などを注文できます。また、台湾料理の「Formosa 福爾摩沙」もなかなか本格的。台湾餃子のほか、肉まんや肉味噌ご飯、牛丼やカツ丼のような料理があります。台湾はタピオカミルクティー発祥の地でもあるので、ここでは本場台湾と同じようなタピオカミルクティーのメニューがありました。砂糖や氷の量も3段階で調整可能になっています。
MiBaoの蒸しパンバーガー(奥)とチェンピン・クレープ(手前)
それから、隣町のエスリンゲン中心部にある南インドの家庭料理「Copper Bowl」が個人的には大変おすすめです。日本でも慣れ親しまれているタンドリーチキンなどの北インド料理とは異なり、ベジタリアン料理のお店なのですが、さまざまなインドの香辛料がきいていて、これまで食べたことのない豊かな風味になっています。インド料理好きはもちろん、辛いものが苦手な人でも楽しめます。料理を入れる銅の器は、どれも現地から調達してきたらしく、洗練された曲線美に感銘を受けました。このお店はとても人気がある上、営業時間も短いので、念のため、予約を入れてから行くことをおすすめします。
南インド料理「Copper Bowl」のセットメニュー
中国生まれの日本国籍。東北芸術工科大学卒業後、シュトゥットガルト造形美術大学でアート写真の知識を深める。その後、台北、北海道、海南島と、渡り鳥のように北と南の島々を転々としながら写真を撮り続ける。
Instagram : @einankaku