シュトゥットガルト中央駅のすぐ近くにピラミッド状の近未来的な黒っぽい建物があります。現在は「シュトゥットガルト21・駅プロジェクト」の工事現場に囲まれていますが、ここが1977年に建てられたカール・ツァイス・プラネタリウム・シュトゥットガルトです。
1年近くの改修工事を経て、今年4月、駅の工事現場に囲まれながらも営業を再開。4月23日と24日の二日間は、うれしいことに市民に無料公開されました。実は4月22日は、ちょうどプラネタリウムの39歳の誕生日でもありました。筆者は数年前にこのプラネタリウムを訪れたことがありますが、今回の営業再開を機にもう一度行ってみることにしました。
外見はほとんど昔のままで、リニューアルが行われたのは、360度投影のドーム内のようです。詰め掛けた大勢の来館者がいるにもかかわらず、長く待つこともなく館内へ。オープニングのために、普段は1時間くらいのプログラムを20分に短縮したものが上映されました。
リラックスしながら上映を待つ人々
プラネタリウムに行ったことのある人なら分かると思いますが、普通上映ドームの中は円形状になっていて、観客席は円に沿って放射状に位置され、円の真ん中には巨大な丸いヘッドを持つ映写機が立っています。映写機の胴体や頭が回転することによって、宇宙の絵がドーム型のスクリーンに写し出されます。しかし、新しくなったこのプラネタリウムには、この特殊な映写機の姿はどこにもありません! なんと最新のデジタル技術を使い、壁内蔵型のプロジェクターによって巨大なドーム型のスクリーンでも鮮明な絵を映し出すことが可能になったのです。
かつての上映風景。新プラネタリウムでは、中央の映写機は壁内蔵型に変わった
上映が始まりました。満天の星空が頭上に広がり、非現実ながらもどこかリアルで、ロマンティックな気分になりました。夜空を眺めていたかと思ったら、そのまま宇宙の中へと飛んで行きます。土星や金星を通り過ぎました。天文学のドイツ語がたくさん出てきて、正直言葉の意味は良く分かりませんでしたが、それでも十分に星の世界を楽しむことができました。
プラネタリウムで天文学の勉強をするのもいいのですが、何も考えずにただゆったりと「宇宙」を眺めているだけでもリラックスでき、癒されるような気がします。
週末の夜には、ロックコンサートやレーザーショーなども開催するそうですので、お出かけしてみてはいかがでしょうか。
中国生まれの日本国籍。東北芸術工科大学卒業後、シュトゥットガルト造形美術大学でアート写真の知識を深める。その後、台北、北海道、海南島と、渡り鳥のように北と南の島々を転々としながら写真を撮り続ける。
www.kakueinan.wordpress.com