654号で募集した「ドイツの我が家で囲む和の食卓レシピ」。お手軽な一品から、ちょっとしたおもてなしに活用できるメニューまで、様々なアイデアとそれにまつわる楽しいエピソードが集まりました。たくさんのご応募ありがとうございました。一口にドイツといっても、大都市と地方の町では食事情は大きく異なってきますが、献立に頭を悩ませたり、故郷の味が恋しくなった時に、これらのレシピを試してみてはどうでしょうか。
ハル焼きアキ焼き
真理バウムガーデン様
ホ-ムパーティを開いたところ、このレシピを串に刺さずに出していたら、いつの間にか長ネギだけが残っていて、豆腐と肉の部分は全て消えていました。「ウ〜ン、ネギはあくまでも、脇役の運命なのかなぁ!?しかも食べてもらえないなんて、なんて悲しき定め…。」この経験から、やわらかなネギの旨みを知ってもらいたい私としては、一串で1セットとして出してみました。串焼き風で、これが好評です。これからの季節にピッタリの、さっぱり塩焼き風、春焼き(ハル焼き)。そして、ご飯にも 合う照り焼き風、秋焼き(アキ焼き)。ドイツで、日本の季節感を味わってみて下さい!!
材料
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七面鳥のひき肉(Puten Hackfleisch)または生でも食べれる豚挽き肉(Mett) |
200g
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豆腐(BIO食品としてBioladenなどで手に入ります) |
200g
(1丁) |
長ネギ |
3~4本
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卵 |
1/2個
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しょうがの絞り汁 |
少々
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片栗粉(Kartoffel Mehl) |
小さじ1
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● ハルだれの材料 | |
だし汁 |
1カップ
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しょうゆ |
大さじ4
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みりん |
大さじ4
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砂糖 |
大さじ2
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片栗粉 |
小さじ2
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● アキだれの材料 | |
しょうゆ |
小さじ2
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レモンまたはライム |
1/4個
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オリーブオイル |
小さじ1
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塩 |
少々
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パセリ |
お好みで少々
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作り方
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長ネギの白い部分を4センチのぶつ切りにする。フライパン(出来ればテフロン加工のものが良い)に少量の油をひき、程よい焦げ目が付くまで中火で焼く。焼き上がったら、3分ほど蓋をして蒸し焼きにする。(その時、水は入れない)その後、ネギを取り出し冷ましておく。 | |
1で使わなかった長ネギ(適量)を、細かくみじん切りにして、ボールの中でひき肉と混ぜ合わせる。少量の溶き卵(大さじ4~5杯)、しょうがの絞り汁、片栗粉(小さじ1)を入れて粘りが出るまでまぜる。 | |
豆腐をペーパーナフキンに包んで、水気を切り、5mm~1cm幅で刺身のように引き切りする。豆腐の表面2cm×5cm程に、2をパンにペーストを付ける様に、バターナイフ等を使って手で押さえながら、のせるように付ける。 | |
フライパンで、豆腐の面から香ばしく焼き上げる。 長ネギと同様に、最後に蒸し焼きにする。 | |
焼き上がったら、お皿に移してネギと豆腐を交互に 串に刺す。 | |
ハルだれは、片栗粉以外の材料を混ぜ合わせて煮る。最後に倍量の水で溶いた片栗粉を加えて、とろみをつける。 | |
アキだれは、すべての材料を混ぜ合わせ、仕上げにお好みでパセリを振る。 | |
お好みのソースに絡めて、できあがり。 |
グーラシュライス
Kumi Sanders 様
カレールーが手に入らないとき、ドイツのどこのスーパーにでも売っている既製のグーラシュスープ(Gulaschsuppe)で、カレーもどきを作ってます。ドイツ人は、このスープと一緒に、パンを食べるけど、私はお米の国の日本人。カレールーが手に入らなかった時に、代用品として思いつきました。グーラシュスープはメーカーによっても味が違ってくるので、いろいろ試してみると良いと思います。ご飯の代わりに、スパゲティにかけ ても、いける味です。
材料
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グーラシュスープ |
1缶(500g)
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オリーブオイル |
少々
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玉ねぎ |
小1個
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にんじん |
小1本
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ピーマン |
半個
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作り方
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鍋にオリーブオイルを入れ、上記の野菜を小さく切って炒める。 | |
スープを入れて、にんじんが柔らかくなるまでコトコト煮る。 | |
2を、ご飯にかければできあがり。 | |
*一手間かける時間も惜しいという方は、グーラシュスープを温めてご飯にかけるだけでもOK |
アボカドサーモン丼
茂木祥子様
アボカドもスモークサーモンもここドイツでは入手が楽です。アボカドとサーモンのお寿司はカリフォ ルニアロールとして有名ですが、のりで巻く手間を省くため、ちらし風にしました。
材料
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アボカド(熟れているほどおいしい) |
1個
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スモークサーモン |
適量
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穀物酢 |
40cc
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砂糖 |
大さじ1
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塩 |
少々
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米 |
2合
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作り方
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酢、砂糖、塩を混ぜ、電子レンジに15秒かけて砂糖を溶かす。 | |
硬めに炊いたご飯に1の酢を回し入れ、混ぜながら冷ます。 | |
アボカド、サーモンを一口大に切る。 | |
酢飯をどんぶりによそい、アボカドとサーモンを盛り付けて、 お好みでわさび醤油を添えていただく。 |
大根のべったら漬け風
堀米いつ子様
最近では、近くのスーパーでも、いわゆる「す」の入っていない立派な大根を手に入れることができるようになりました。おいしい大根にめぐりあったときに作るのがこれ。2、3本まとめて漬けても、あっという間に食べてしまいます。上記の分量で漬ければ、かなり「べったら漬け」に近くなります。甘いのが苦手な主人と、酸っぱいのが大好きな私、そして、減塩を心がけている子ども達のために、我が家では、砂糖と塩を控えめにして漬けています。
材料
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大根 |
大1本(約1.5kg)
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砂糖 |
200g
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塩 |
40cc
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酢 |
40cc
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作り方
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大根は皮をむいて、縦半分に切ったあと、適当な長さに切る。 | |
全ての材料を厚手のビニール袋に入れて、袋の上からよくもむ。 | |
重石をして、大根がかぶるくらい水分が出たら、漬け汁ごと密閉容器にうつし、冷蔵庫で保存する。 | |
*重石がない場合は、瓶詰めや缶詰を利用するとよいでしょう。1週間から2週間でおいしく食べられます。また、大根と同様に、コールラビやラディッシュなどでも同じようにして作ることが出来ます。その場合は、翌日から3日目くらいが食べごろです。 |
どら焼き
堀米いつ子様
チョコレートが大好きな私。ドイツのお菓子もケーキも大好きですが、時々無性に食べたくなるのが、あんこがたっぷり入ったこのどら焼き。あんこの優しい味にほっとしながら、日本人であることを実感するひとときです。同じ生地で、はちみつを除けば、ホットケーキもおいしく作れます。また、小麦粉とベーキングパウダーの分量を各々1.5倍にすれば、アメリカンドッグのタネにも。朝食に、3時のおやつに、また子ども達の誕生日パーティーにもおすすめです。
材料(6個分)
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卵 |
1個
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砂糖 |
カレースプーン山盛り3杯
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牛乳 |
100ml
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はちみつ |
カレースプーン山盛り1杯
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小麦粉(タイプ405) |
100g
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ベーキングパウダー |
小さじ1強
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塩 |
ひとつまみ
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あんこ(市販) |
適量
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作り方
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ボールに卵をほぐし入れ、砂糖を加えて泡立て器で軽く泡立てる。 (*ただし、ふんわりするまで泡立てないこと) |
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1に牛乳とはちみつを加え、ムラなく混ぜ合わせる。 | |
小麦粉、ベーキングパウダー、塩を2にふるい入れ、粉っぽさがなくなるまで混ぜ合わる。時間があれば、この後、30分ほどラップをかけて生地を休ませると、きれいに仕上がる。 | |
フライパンを中火にかけ、油を入れてなじませたら、余分な油をペーパータオルでふき取る。 一度フライパンを火からおろして、濡れふきんの上で粗熱を取り、3のタネを流し入れる。このとき、大きめのスプーンや小さめのお玉を利用し、同じ分量を流し入れるとよい。 | |
表面にぷつぷつと泡が出てきたら生地を裏返し、両面焼く。裏返した方は、表面が乾く程度でよい。 | |
焼きあがった生地にあんを挟み、できあがり。好みでホイップクリームを挟んでも美味です。 |
アジアンショップであんこを買う事もできますが、もし近くにそういったものを扱っているお店がない場合は、BIOのお店で小豆を購入して(Azuki-Bohnen)、あんこを手作りしてみてはいかがでしょうか。一晩水につけた小豆100gを水約400ccとともに鍋で煮ます。指でつぶれるような柔らかさになったら、砂糖を加え、さらに塩も少々加えながら、水分を飛ばし、しゃもじで小豆をつぶせばできあがり
ごまネーズ
原田彰子様
今年80歳になる祖母から、10年以上前に教えてもらって以来、(実家でも、嫁いでからも)我が家の定番です。超簡単で温野菜や野菜スティックがもりもり食べちゃえます。生野菜があまり好きでない我が家の3歳の娘も、これならたくさん食べ てくれます。
材料
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ごま |
大さじ1
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マヨネーズ |
大さじ2
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砂糖・塩・醤油 |
少々
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作り方
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ごまをから煎りして、油がでるまで細かくする。(ごまペーストがあれば、混ぜるだけ) | |
ペースト状になったごまにマヨネーズ、砂糖、醤油、塩を混ぜればできあがり。 | |
2にスティック状に切った人参やきゅうりをディップする。ゆでたブロッコリーやカリフラワーとは最高の相性です。またゆでた鶏のささみなどをあわせると、ちょっとしたおかずにもなります。 |
ごまのペーストはトルコ系の食料店などでTahiniという名前で売られています。
きんぴら大根
石井三琴ハウグ様
歯ごたえが忘れられない大根きんぴらはドイツ人の夫も大好きな我が家の一品。和風の食材としていつも買い置きのある大根、古くなってスカスカになろうが、柔らかくなろうが、乾燥しようが、この料理では関係ないようです。お好みでにんじんやセロリを入れても美味しい。作り方はとても簡単ですが、ご飯が美味しくいただけます。 「あと一品っ!」という時に是非これを。
材料
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大根 |
1/2本
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にんじん |
1本
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セロリ |
お好みで
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ごま油 |
適量
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だしの素 |
少々
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七味、または唐辛子 |
お好みで
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しょうゆ |
大さじ3〜4
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料理酒、みりん、またはワイン |
少々
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砂糖 |
少々
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作り方
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野菜は太さを揃えて全て千切りにする。 | |
ごま油をフライパンにしき、野菜を一気に炒める。この時、だしの素、砂糖、唐辛子を入れる。 | |
少し大根が透明になってきたら酒、しょうゆを入れて水分がなくなるまで炒める。 | |
出来上がりにゴマをかけても良い。 | |
*冷えても美味しいので、余ったきんぴら大根は翌日冷蔵庫からそのまま食卓に出して召し上がってください。 |
卵とじカツ丼
加藤朋美様
もうこれはみなさん作っているかもしれないので、特にアイデアレシピとまではいかないかな?でも日本で作るよりもしかしたら安く簡単にできるかもしれないこのレシピ、シュニッツェルにはすでに味がついているので、めんつゆでの味付けは薄めでいいと思います。
材料
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スーパーで売っているSchweine Schnitzel(冷凍ではなく、ハムなどと並んで冷蔵状態で売っているもの) |
2枚
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玉ねぎ |
小1個
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卵 |
2個
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水 |
少々
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めんつゆ(なければ顆粒だし+しょうゆ+酒) |
少々
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乾燥ネギ、または乾燥パセリ | |
ご飯 |
作り方
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シュニッツェルをトースターなどで温める。 | |
その間に、フライパンに浅く水を入れて沸騰させ、切った玉ねぎを入れて、めんつゆで味をつける。 | |
温まったカツを食べやすい大きさに切って、2の中へ入れる。 | |
溶き卵を入れて好みの固さになったところで火を止める。 | |
ご飯の上にのせれば、あっという間に「卵とじカツ丼」が完成! | |
*スーパーで売っている乾燥ネギやパセリをちょっと振りかけると色合いも良くなります。 |
なんちゃってごまプリン
ナミタンママ様
日本にいる母がよく作ってくれた練りごまを使ったごまプリンが食べたくなったものの、練りごまが手に入らなかったので、主人がよくパンに塗っているピーナツバターで代用して作ってみました。本家本元である母に食べてみてもらったところ、練りごまを 使ったものよりまったりしていておいしい!とのお墨付きをもらった一品。日本 食初心者の外国の方にも必ず喜んでいただける手軽なデザートです。
材料(4人分)
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生クリーム |
1カップ
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牛乳 |
0.5カップ
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砂糖 |
大さじ4
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ピーナツバター |
大さじ2
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粉ゼラチン |
5g
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作り方
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水大さじ2に粉ゼラチンを振り入れてふやかす。 | |
生クリーム、牛乳、砂糖を鍋に入れて弱火にかけよく混ぜる。 | |
ふつふつとしてきたら火を止め、ふやかしたゼラチンを入れて溶かす。 | |
ピーナツバターを入れてさらによく混ぜる。 | |
型に入れて冷蔵庫で30分から1時間冷やす。 |
ルッコラサラダうどん
茂木祥子様
だんだんと暖かくなってきて、日本で食べたサラダうどんが懐かしくなり、作ってみました。レタスより入手しやすいルッコラで試してみました。ルッコラとゴマダレの相性がびっくりするほど良く、とてもおいしいです。
材料(2人分)
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うどん(乾麺でもOK) |
2玉
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ルッコラ |
適量
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トマト |
1個
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市販のごまだれ |
作り方
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うどんを茹でて、冷水で冷やす。 | |
どんぶりに、うどん、トマト、ルッコラを盛り付け、ゴマダレをかけていただく。お好みでゴマ、刻み海苔をのせてもおいしい。彩りのトマトをにんじんの千切りで代用しても合う。 |
ごまだれは、練りごま大さじ4、しょうゆ大さじ3、みりん・酢/各大さじ2、だし大さじ1、砂糖小さじ1、おろししょうが、おろしにんにくを混ぜればできあがり。
柏餅風柏なし
石井三琴ハウグ様
外国で生活していると時々和菓子が食べたくなります。小さな町では日本の和菓子屋さんはないし、自分で作るしかない!といろいろ試してみました。柏餅も笹団子もとても簡単で美味しいです。冷凍も出来るので、突然のお客様でも解凍すれば出来立ての美味しさです。是非試してみてください。上新粉ともち米粉は中華食材店で購入できます。
材料(柏餅10個分)
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上新粉 |
50g
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もち米粉 |
50g
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水 |
約80cc
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市販のこしあん |
150〜200g
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塩 |
少々
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砂糖 |
少々
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桜の塩漬け(飾り用) |
お好みで
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作り方
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上新粉ともち米粉、塩、砂糖をボールに入れ混ぜ、水を入れてさらして混ぜる。(耳たぶくらいの硬さにする) | |
あんこをボール状に丸め、1で包み丸める。桜の塩付けをのせる。 | |
クッキングペーパーの上にのせ蒸し器で15分~20分蒸す。 | |
このまま食べるのが一番おいしい。沢山作ってしまったら、なるべく空気に触れないようラップで包み、冷めたら冷凍庫へ。 | |
*自然解凍してレンジで温めてもいいが、オーブンで焼いてもおいしい。 |
笹団子風笹なし
石井三琴ハウグ様
材料(柏餅10〜15個分)
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上新粉 |
70g
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白玉粉(よもぎ入り) |
30g
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水 |
約80cc
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市販のつぶあん |
150〜200g
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塩 |
少々
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砂糖 |
少々
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作り方
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上新粉と白玉粉、塩、砂糖ボールに入れ混ぜ、水を入れてさらして混ぜる。(耳たぶくらいの硬さにする) | |
あんこをボール状に丸め1で包み丸める。 | |
クッキングペーパーの上にのせ、15分~20分蒸し器で蒸す。保存したい場合は、ここでラップに包み冷凍庫へ。あんこを自分で作る場合は、レンジで少し水分を飛ばしてから使用のこと。 |
ドイツ風しゅうまい
編集部K
白状すると実はこれ、オリジナルではございません。ある料理雑誌をもとに作ったところ、全ての材料がドイツで揃うとい点と、ジャガイモがアクセントになっているという「ドイツらしさ」が気に入って、自分でもバリエーションを加えながら作るようになりました。とっても簡単なのでぜひ試してみてください。
材料(4人分)
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挽肉(合い挽きまたは豚) |
400g
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じゃがいも |
大3個
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玉ねぎ |
中2個
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にんじん |
中2本
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ネギ |
2本
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しょうゆ |
大さじ1
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ごま油 |
大さじ1
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刻みにんにく |
2かけ
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すりおろしたしょうが |
1かけ
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スープの素(鶏ガラ、なければ野菜でOK) |
大さじ1
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作り方
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じゃがいも2個分をすりおろし、ざるに上げて水分を切る。 | |
玉ねぎをみじん切りにする。 | |
挽き肉に1と2を混ぜ、しょうゆ、ごま油、スープの素、しょうがとにんにくを混ぜてなじませる。 | |
3を小さく手で20個ぐらいにまとめる。 | |
残りのじゃがいもと人参を千切りにする。ネギは一口大に切る。 | |
厚手のフライパンにごま油をしき、5を軽く中火で炒める。しんなりしてきた所で、4と水カップ1をのせて蓋をする。火が通ってきたところで蓋をとり、10~15分間ほどそのまま弱火にかける。 | |
*お好みで、辛子じょうゆをつけてお召し上がりください。 |