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旅ールのすすめ - ビールに会いに旅に出よう

山片 重嘉コウゴ アヤコ 1978年東京生まれ。杏林大学保健学部卒業。ビール好きが高じて2008年から1年半、ミュンヘンで暮らす。旅とビールを組み合わせた“旅ール(タビール)をライフワークに世界各国の醸造所や酒場を旅する。ビアジャーナリストとして『ビール王国』(ワイン王国)、『ビールの図鑑』(マイナビ)、『Coralway』(日本トランスオーシャン機内誌)など、さまざまなメディアで執筆。 www.jbja.jp/archives/author/kogo

旧東ベルリンの高架下で飲む樽熟成ビール

今年はベルリンの壁崩壊(1989年)から30年の記念すべき年を迎え、そして来年は、ドイツ再統一30周年となる。街が2つに分断されるという奇妙な歴史を持つベルリン。再統一後、社会主義を象徴する建物は次々と取り壊されてしまったが、街を歩いているとそこかしこで東ドイツ時代の面影に遭遇できる。

大まかに言うと、ブランデンブルク門より東側の地区が旧東ドイツ。ベルリン大聖堂や博物館島など歴史を感じる建築物がある一方、整然と並ぶ無機質な建物やテレビ塔、ベルナウアー通りに記念碑として残された2重の壁と監視塔などは旧東ドイツの名残だ。

複数のアパートと中庭が迷路のように連なっているハッケシェ・ヘーフェ(Hackesche Höfe)もベルリンならではの場所。建物は1900年代初頭に建てられ、再統一後はほかの地域より家賃が安かったことから若者やアーティストが集まり、トレンドの発信地になった。古いものも新しいものも飲み込み、進化を続けるベルリンの躍動感が感じられる。

「Brauhaus Lemke」は、そんなベルリンの新しいビール文化を牽引してきた醸造所。ハッケシェ・ヘーフェから徒歩5分ほどのS バーンの高架下に、醸造所と付属のレストランがある。ここはベルリンで最も古いクラフトビール醸造所で、レンガ造りの外壁とアーチのある天井がインダストリアルな雰囲気。設立者のオリバー・レムケ氏は世界各地で醸造所の建造を手伝った後、20年前に手作りでこの醸造所を立ち上げた。ビールはドイツ伝統のものから、外国のスタイルまでとさまざまで、数々のビアコンペティションで賞を獲得している。

「IMPERIAL STOUT」はフランス産のオーク樽で6カ月熟成させたスタウトで、ウイスキーのような樽香とカカオやバニラのようなリッチな風味が楽しめる。歳月は、街もビールも面白くしてくれるようだ。

vol.36
IMPERIAL STOUT

IMPERIAL STOUT

 
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