ノンアルのヴァイスビアで夏をアクティブに
世界的にビールの製造量が停滞するなか、ノンアルコールビール(以下、ノンアルビア)市場が拡大している。それはドイツも例外ではない。2007年以来、生産量は2倍以上に増加。2021年には6億8000万リットルに達した。市場シェアは8%を占め、銘柄数は800以上だ。ピルス、ヴァイツェンなどの全国で飲まれているビアスタイルに加えて、レモンやグレープフルーツを加えたフレーバービールや、ケルシュやアルトなどの地域固有のもの、IPAなどのクラフトビールもノンアルで醸造されており、バリエーションが豊か。ドイツでは1895年にノンアルビアの製造が始まっており、これまでも世界をリードしてきた。コロナ以前から健康志向の高まりや飲酒運転撲滅によってノンアルビアの需要が増えていたが、在宅時間が増えたことと、何よりもおいしいことで、さらにそれが急加速した。酔わずに気分転換をしたい人に重宝されている。
数ある中でもミュンヘンの郊外にあり、ヴァイツェンを専門とするエルディンガー醸造所では、ERDINGER Alkoholfreiを「スポーツビール」として提案し、マラソンやトライアスロン大会のスポンサーになっている。ノンアルビアは体液に近い浸透圧(アイソトニック)のため、水分・糖分・塩分が効率よく吸収できる上に、必須ビタミンである葉酸(B9)とB12が含まれており、疲労の軽減に寄与するとうたっている。
小麦麦芽を使用するヴァイツェンならではの豊かな泡が目も楽しませてくれる。クローブのようなスパイシーな香りとキャラメルのような甘味を、フルーティーな酸味が引き締める。豊かな味わいと軽快なのどごしで、体にスーッと染み込んでいく。アルコール入りのものと遜色ない満足感だ。この夏はノンアルビアを手に、山に湖にアクティブに旅をされてはいかがだろうか。もちろん食事に合わせるドリンクとしてもぴったり。