ジャパンダイジェスト

輝け、原石たち
日本を飛び出し、ドイツで切磋琢磨する "若き血潮" を紹介します。


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水谷選手と岸川選手

五輪出場権を獲得した水谷隼選手(左)と岸川聖也選手

岸川聖也さん
1987年5月21日 福岡県生まれ
2006年3月 仙台育英学園高校 卒業
2008年現在 卓球ブンデスリーガ1部ヴェルダー・ブレーメン所属、デュッセルドルフ在住
水谷隼さん
1989年6月9日 静岡県生まれ
2008年3月 青森山田高校 卒業
2008年4月 明治大学政治経済学部経済学科 入学
2008年現在 卓球ブンデスリーガ1部ボルシア・デュッセルドルフ所属、デュッセルドルフ在住

2007、08年全日本選手権ダブルス(岸川・水谷ペア)、シングル(水谷)2連覇を成し遂げ、08年世界選手権では団体戦で日本に銅メダルをもたらした立役者。北京五輪代表に選ばれ、メダル獲得に期待がかかっている。

「日本の義務教育制のもとでは、朝から午後に掛けて練習する時間が取れないんですよ。卓球に専念したかったので、ドイツに来ることを決めました」(水谷選手:以下(水))

岸川、水谷両選手とも、ドイツにトレーニングの拠点を移したのは中学生の頃。世界に通用するトップアスリートになるために、卓球に全てを捧げる覚悟が決まっていた。

「ドイツのブンデスリーガでは毎週試合があるんです。しかも世界中から強い選手が集まっていて、いろんな経験が積める。そこがドイツのいいところですね。試合を多くした方が強くなれるから」(岸川選手:以下(岸))

水谷選手
抜群の卓球センスでラリーを制する水谷選手
岸川選手
豪快なバックハンドドライブが持ち味の岸川選手

彼らが日本で試合に出るのは年に1度か2度、全日本選手権のような大きな大会だけだ。しかし、そこは絶対に負けられない試合。世界選手権やオリンピックの選考に影響を与えるからだ。大きな試合に向けては、納得するまで練習し、あらゆる不安材料を排除すべく心身、技術、道具の調整を行う。結果を出すためには自らに妥協を許さない。

「(ダブルスを組むようになって)かなり長いので、隼とだとやりやすいですね。いろんな試合も経験したし、結果も出してきたので、コートに入ればすごく信頼し合えるし、解り合えるパートナー」(岸)

二人で組むことで実力以上の力を引き出せるという、実績に裏打ちされた自信もある。

「ブンデスリーガでは、自分より格上の選手とペアを組ませてもらってるんですけど、格下の選手に負けることもあって、でも岸川さんとなら格上のペア相手にも勝てる」(水)

五輪出場は子どもの頃からの夢だったという二人。しかし、代表に選ばれた今は、「出て勝ちたい、勝たなきゃ意味がないっていう意識に変わってきました。金メダルを目指すスタート地点にやっと立てたという感じです」(水)

五輪出場という一つの目標を達成した喜びをバネに、より高い目標をすでに見据えている。

「代表に選ばれることが難しい大会なので、出場が決まって本当に嬉しい。でも、そこで満足していてはだめなので、中国、韓国などの強豪国にどう勝っていくかということを一番に考えています」(岸)

出るからには、やはり優勝を目指す。北京五輪からダブルスの代わりに3人編成のチームで戦う団体戦が採用された。「団体戦は日本のために戦っているという意識が高まるし、みんなで盛り上がれる。だからこそ、特に団体戦でメダルがほしい」(岸)

男子卓球界では、両選手を筆頭に若手の活躍が目立つ。アジアだけではなく欧州など世界中に強豪がうずめいている、その中で、世界を相手に戦える選手が育ってきているのだ。「福原愛選手など卓球は女子が有名だけど、男子の卓球にも注目してください」(水)。「これからの卓球は男子の時代です」(岸)

さぁ、北京五輪まであと2カ月ちょっと!!がんばれ日本!!!!

(文:編集部・高橋萌、写真提供:日本卓球協会)

 
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