毎年5月頃になると、街角に赤いイチゴ型の屋台が並び始める。カールスという北ドイツの家族経営の会社が出店しているもので、産地直送の採れたてイチゴは甘くみずみずしい。毎年楽しみにしている人は多いはずだ。そのカールス社が運営する体験型テーマパークの「カールス・エアレープニス・ドルフ」がベルリンの西の近郊にある。5月末の祝日の朝、友人家族と初めて足を運んでみた。
ベルリンのユングフェンハイデ駅からレギオナルエクスプレスのRE4に乗り、20分ほどでエルスタール駅のホームに降り立つと、家族連れでいっぱい。満員の668番バスに5分ほど揺られ、緑に囲まれた最寄りのバス停に着いた。ここはすでにブランデンブルク州だが、ベルリンから意外と近い。
豊富なアトラクションが楽しめるカールスのエアレープニス・ドルフ
入口から大きな屋内ホールに入ると、大きなイチゴの絵と共に、天井と壁にぎっしり飾られたコーヒーポットが目に飛び込んできた(世界最大級のコレクションだという)。すぐ近くに乗り物やアイスキャンディー屋があり、一歩入った時点で子どもたちの足が止まってしまう。すでに心はつかまれており、大人も本格的なテーマパーク感に驚いた。屋内ホールは先に進むほど甘い香りが漂ってくる。いちごジャムやパン、キャンディー、グミ、ろうそくなど、実演販売も交えてイチゴに関するあらゆる食べ物やグッズが並び、目移りしてしまった。入場料はかからないので、買い物だけに訪れることもできそうだ。
ホールを抜けると、まさに遊園地。園内を半周する豆汽車があったので、まずそれに乗って全体の様子を見ることにした。のんびり汽車に揺られていると、トロッコ型のジェットコースターや三輪車のサーキット、巨大なトランポリンなど、楽しそうなアトラクションが目に留まる。
農家の生活がコンセプトに取り入れられており、トラクターを運転できる遊戯も子どもたちには楽しかったようだ。その近くにある長い滑り台にはKartoffelsack-Rutscheという名が付いている。ジャガイモを入れる粗布の袋を下に敷いて滑るためだが、これが実にスリリングで、子どもと何度も楽しんだ。汽車やトラクターなど乗り物系のアトラクションの多くが有料なので、たっぷり遊ぶとしたら1日券(15ユーロ)を最初に買うのが良さそうだ。
屋内のショップにはイチゴに関するあらゆるものが並ぶ
早めに昼食をと屋内ホールのレストランに入った。いちごシェイクの甘さがじんわり体に染み渡った。私は用事があり、昼食後に先に出ることにしたが、入口にはこれから中に入る人が押し寄せていたので、朝早く来て良かったと思う。ちょうどカールス・エアレープニス・ドルフ前を12時35分に出るベルリン・ツォー駅直行のエクスプレスバスA05に間に合い、快適に帰ってくることができた。ただし、このバスはその後17時10分と19時5分発のみ。
話には聞いていたけれど、ベルリン近郊にこんな場所があったのかと新鮮で、半日の滞在でも気分をリフレッシュできた。試食してみたいものもたくさんあったので、次回の楽しみとしたい。
カールス エアレープニス・ドルフ
Karls Erlebnis-Dorf
1921年にロストック近郊の農場で創業したカールス社が経営するテーマパーク。2014年にオープンしたエルスタールのほか、ロストック近郊のレーヴァースハーゲンなど、北ドイツに5カ所ある。春のアスパラガス、秋のカボチャ、冬のキャベツなど、季節ものの食材イベントも豊富だ。1日券のほか、年間券(35ユーロ)もある。
オープン:8:00~19:00(6~8月は7:00~21:00)
住所: Zur Döberitzer Heide 1, 14641 Elstal
電話番号:033234-243030
URL:www.karls.de
デザイナー・アウトレット・ベルリン
Designer Outlet Berlin
カールス・エアレープニス・ドルフと同じエルスタールにあるアウトレット。1万6500平方メートルの売り場面積にブランド店が並ぶ。スポーツ系の店が多い。エルスタール駅から662番バスが出ているほか、毎週金・土曜日にはベルリンのクーダムから朝と午後に2本無料のシャトルバスが出ている。
オープン:月~土10:00~20:00
住所:Alter Spandauer Weg 1, 14641 Wustermark
電話番号:033234-9040
URL:www.mcarthurglen.com