ジャパンダイジェスト

地元のアマチュアからプロまでダンサーの拠点tanzhaus nrw

ドイツ屈指の経済都市であるデュッセルドルフ。一方で、国内外のアーティストが多く集まる街でもあり、美術館やシアターをはじめ、さまざまジャンルの芸術スポットがあることも魅力の一つです。今回は、さまざまなジャンルのダンスのローカル拠点であるtanzhaus nrwをご紹介したいと思います。

中央駅の近くにあるtanzhausは、かつてトラムの車庫だった建物を二つのシアターと八つのダンススタジオに改装した場所です。いろいろなジャンルのパフォーマンス公演があるほか、初心者からプロ向けまで多様なダンスコースが開講されています。このプロとアマが混在しているアカデミーは、ドイツでもなかなか珍しいのだとか。

tanzhaus nrwの外観tanzhaus nrwの外観

何を隠そう、私もここのアカデミー生。2年前の夏、漠然とダンスを習いたいと思っていたところ、tanzhausのオープンスタジオへ足を運んだのが始まりでした。サルサやアフリカンダンスなどユニークな先生たちの体験レッスンをいくつか受け、どれも魅力的だったのですが、最終的にアルゼンチンタンゴを受講することになり中級コースまで進みました。しかし、その後すぐにコロナ禍となり、1年半以上もtanzhausには行きませんでした。そんな折、友人のパフォーマンスイベントでフィリピン出身のコンテポラリーダンサーが心のままに踊る姿を見る機会がありました。いたく感動した私は「こんな風に踊ってみたい!」と思い、さっそく9月から始まるtanzhausのモダンダンスの初級コースを予約することに。

tanzhausでモダンダンスとジャズダンスを教えているカルロtanzhausでモダンダンスとジャズダンスを教えているカルロ

レッスンは週1回90分。先生であるカルロはイタリア出身で、26歳でダンスを始めたというちょっと変わった経歴の持ち主です。あの世界的な振付家の故ピナ・バウシュのもとで踊っていたこともあったのだそう。そんな彼のレッスンでは、とにかく「自然な動き」を大切にします。例えば、靴下を拾ったり寝返りを打ったりする動きをダンスにして見せてくれ、呼吸する動作から指の先までエネルギーが流れていくように踊ります。陽気な性格のカルロのダンスは時にコミカルで、スタジオは終始和やかな雰囲気。私たちも一つずつ振付を覚え、毎回レッスンの終盤でその日に習った動きをつなげて、曲に合わせて踊ります。

コロナ感染防止のため、受講生は約10名と通常の半分ほどコロナ感染防止のため、受講生は約10名と通常の半分ほど

コースが始まって1カ月半、普段の生活でも全ての動作がダンスに見えてきたり、自宅で掃除をしながら踊ってみたり、自分の中の小さな変化を感じるようになってきました。初級コースはそろそろ終わりですが、今後もしばらく続けてみようと思っています。10月11日に次の学期の予約が始まったばかり。ほかにもありとあらゆるダンスを学べるので、お近くの方はぜひホームページを覗いてみてください。身体を使って何か表現をしたいという人を、プロアマ問わず迎え入れてくれる温かい場所です。

tanzhaus nrw:https://tanzhaus-nrw.de

編集部 D
学生時代にベルリンに恋をして、絵本出版社勤務を経て2016年に渡独。2018年からドイツニュースダイジェストの編集者。自他共に認める多趣味で、最近はとりわけ現代短歌とモダンダンスに勤しんでいる
 
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