チューリップといえば、オランダをイメージする人も多いのではないでしょうか。春にオランダを訪れると、至る所で色とりどりのチューリップを見られますが、なかでも有名なのは「キューケンホフ公園」(Keukenhof)でしょう。1年のうち3~5月中旬の2カ月限定で開園する世界最大級のフラワーパークで、約32ヘクタール(東京ドーム約8個分)の広大な敷地に植えられる球根は約700万球にも上ります。私もいつか訪れてみたいと思っていましたが、今年ようやく足を運ぶことができました。
デュッセルドルフからキューケンホフ公園までは、車で約3時間。週末は公園付近が混雑すると聞いていたので、朝6時半に自宅を出発しました。早起きしたのが正解だったのか、渋滞にも巻き込まれず、9時過ぎには公園に到着。エントランスを抜けると、右に行っても左に行ってもチューリップ。どこを切り取っても絵葉書になるような美しい光景です。
色とりどりのチューリップ
チューリップだけでも800種類以上あるそうで、オランダ生まれの画家ゴッホの名を冠した品種や、日本では見たことのないユニークな品種など、とても見応えがありました。チューリップのほかにも、スイセンやヒヤシンス、ムスカリ、桜など、春の花々が楽しめます。さらにフラワーショーが開催されていたり、屋内のパビリオンではアート展やオランダのチューリップ栽培の歴史が学べる展示があったりと、キューケンホフ公園は言うなれば「花のテーマパーク」。ゆっくり見て回ると、丸1日あっても回り切れない規模です。
また、敷地内にはオランダを象徴する風車や運河もあり、風車に登ったり、サイクリングしたり、ボートに乗って運河を巡りながら花々を鑑賞したりすることもできます。子ども向けには、ミニ動物園やオランダならではのミッフィーのおうちや遊び場なども。わが家の2歳の娘は、色とりどりの光景が印象的だったようで、チューリップの間を走り回って楽しそうにしていました。
運河が流れるオランダらしい光景
園内には、歩き疲れたら休憩できるカフェやレストラン、のんびりピクニックできる場所もあり、お弁当を持参するのもOK。私たちはおにぎりを持参しました。周囲には、芝生の上で音楽をかけてお誕生日会をしているグループや、ベンチに座って編み物をされている方などもいて、のんびりと過ごすことができそうです。
4時間ほど散策してキューケンホフ公園を後にし、帰りには世界遺産にもなっているキンデルダイクの風車に寄りました。日帰りだと少々駆け足になってしまいましたが、お天気にも恵まれて春のオランダを満喫することができました。気軽に国境を越えてお隣の国に行けるのも、ドイツに住んでいる利点ですね。
上まで登れる風車もあります
出版社勤務ののち、夫の駐在に伴い2019年7月に渡独。現在は、デュッセルドルフ生まれの1歳の娘の子育てに奮闘中。趣味はライン川での散歩と、パンやお菓子を焼くこと。