え?UFO?暗闇に浮かび上がった光の塊。しかも一つだけではない。数えてみると全部で16つもある。
正体は、恐ろしくも怖くもなく、実はただのベンチ。地元住民の憩いの場「ホーフガルテン(Hofgarten)」に設置されており、暗くなるとライトアップされる。かつて宮廷の狩猟場だったこの公園は27,73ヘクタールの広さを持つが、光のベンチはゲーテ美術館(旧狩猟館)の向かいの並木道「イェーガーホーフアレー(Jägerhofallee) 」に並んでいる。
今から5年前の「Euroga 2002+」というプロジェクトにより、デュッセルドルフ出身の芸術家シュテファン・ゾウズ(Stefan Sous)がA紫外線とB紫外線を利用して創り上げた。近くで 見てみると、アクリルケースの中に蛍光灯が何本も入っている。もともとは期間限定の芸術作品として、「暗闇の公園に訪れた人をベンチに招待する」というコンセプトで制作されたそうだが、撤去されずにそのまま残されることになった。
座ると熱いんじゃないの?とか、お尻が燃えてしまうかも、というような心配をしている読者の皆さま、ご安心を。そんな質問もあろうかと、すでに試しに座ってきた。ほのかに温かかったが、当然熱くはない。寒~い冬にベンチに腰掛けてちょっと休憩するには、お尻から伝わってくるこの温もりがありがたく心地よい。それでも夜中に10分も座っていると、だんだん手がかじかんでくるが……。
これからクリスマスや大晦日など、イベント盛りだくさんの季節がやってくる。恋人や想いを寄せている人と二人、こんな幻想的な景色を見ながら、ロマンチックでほの温かい夜を過ごしてみてはどうか。
幻想的な並木道
よく見ると、蛍光灯が中に
編集者歴もうすぐ10年。好きな3大名所は、オクトーバーフェストとレーパーバーンと冬のオホーツク海。もうすぐやって来る白い季節を楽しみに待つこの頃です。今冬の目標は 「氷のホテル」に泊まること。