11月5日(土)、今年で36回目を迎えるジャパンウィークがフランクフルトで幕を開けました。爽やかな秋晴れの下、オープニングセレモニー会場のハウプトヴァッヘには開始前から大勢の人だかりが。耳をつんざくばかりの爆音と共に祝砲が放たれると、野外ステージでは地元和太鼓グループ「栗の木」の演奏が始まりました。そして、ロート市長が自ら日本語を交えながら開幕のあいさつ。街を挙げてイベントに取り組む姿勢がうかがえました。
日本からも多くのパフォーマーが参加した今回のイベント。初日のステージでは和太鼓アンサンブル「TOKARA」が観客の手拍子を誘って会場を盛り上げると、続いて「KOTTSU」が笛や小太鼓も織り交ぜた賑やかな舞台を繰り広げます。また、ドイツ人の観客もチンドン屋「浜松花蝶ちん」の玉簾で「あっ、さて!さて!」という掛け声を真似し、琉球古武術クラブ「Kobudo Hessen」の演武を、固唾を呑んで見守っていました。
和太鼓アンサンブル「TOKARA」が目の前で演奏。
太鼓の振動が体を突き抜けます
さらに、勢いに圧倒されたのが大人数の和太鼓「Taiko-shu Shoko」。ダイナミックな動きを取り入れた演奏が目にも耳にも感動的でした。このほか、フランクフルト日本人学校の生徒たちが元気に民謡を踊り、地元女性和太鼓グループ「桜の木」が迫力のステージを展開。また、「桜の木」と「TOKARA」の共演では、息の合った演奏と心に響く太鼓のリズムが観客を魅了していました。そして最後は、特設やぐらを囲んでの盆踊りで大いに盛り上がりました。
翌日曜日はジャパンウィークを記念し、特別に街中のお店がオープンするショッピングデーとあって、初日以上の人出で賑わっていました。ちなみに、8日までシャウシュピール劇場で開催されていたジャパンナイトでも早々にチケットが完売となったそうです。
さて、私は6日目にやっと予約が取れたボルンハイム劇場のジャパンナイトへ。全日本ブライダル協会のショーでは、華やかな四季の花嫁衣装や白無垢から打掛へのお色直しを堪能。その他、笙、琴、三味線、和太鼓などの和楽器の演奏に子どもバレエ、日本人歌手の声楽、剣道の演武と、バラエティーに富んだ演目で、楽しい一夜となりました。
舞台上で、純白の白無垢から煌びやかな打掛にお色直し
こうしてジャパンウィークは、連日盛りだくさんのプログラムで街中を熱気に包み、大成功のうちに幕を下ろしました。単なる日本文化の紹介にとどまらず、観客も一緒に体感できたことで、日独の相互理解が深まったのではないでしょうか。また、私も在独日本人として、外国にいるからこそ見えてくる自国の素晴らしさを再確認しました。これを機に、「ぜひジャパンウィークのフランクフルト定期開催を!」と願うばかりです。
2003年秋より、わずか2週間の準備期間を経てドイツ生活開始。縁もゆかりもなかったこの土地で、持ち前の好奇心と身長150cmの短身を生かし、フットワークも軽くいろんなことに挑戦中。夢は日独仏英ポリグロット。