ハンブルクといえば、港。そして港といえば船! せっかくハンブルクに来たのならぜひ行ってほしいのが国際海洋博物館。……と言いたいところなのですが、すみません! ハンブルク在住36年の私、実はまだ一度も行ったことがありませんでした。ハーフェンシティの倉庫街にある国際海洋博物館は、エルベ川にまるで浮かんでいるかのような巨大なレンガ造りの重厚な建物の中にあります。この博物館創設者のペーター・タム教授は、6歳のときにお母さんからプレゼントされた小さな船の模型がきっかけで、その生涯にわたり模型船の収集を続けました。彼の膨大な船と海洋のコレクションを含め、1~9階までの各フロア(デッキと呼ばれています)には、テーマごとの展示がされています。
堂々とそびえ立つ国際海洋博物館
1階のテーマは「世界の発見」。ここでは新世界を発見したコロンブスやマゼランの時代、長い航海のために使われていたコンパスなどのナビゲーションが展示されています。2階は「風と共に世界一周」というテーマで、古代から20世紀までの航海の歴史をたどります。
3階は「造船の歴史」について。帆からエンジンへと、造船の技術の進化について見ることができます。4階は、船員たちの厳しい状況下での労働と生活などについての展示。5階は「戦争と平和」というテーマで、戦艦、潜水艦などの展示。6階は、現代の航海について。7階は、まだまだ明かされていない海の秘密についての研究の展示です。
1580年に造られたボトルシップ
8階は、さまざまな時代に描かれた海や船の絵画コレクション。嵐の海に揺れ動く帆船など、絵に描かれた当時の航海の様子が実にリアルで、個人的には一番興味深かったです。そしてついに最後の9階には、何と5万5000個のミニチュアの船の模型が所狭しと並んでいます。その膨大な数と精巧な技術に圧倒されました!
波を背景に吊り下げられた帆船がダイナミック!
入場料は大人18ユーロと少し高めですが、午後4時半以降の入場は半額の9ユーロ。今回は、このお得チケットを買って入館しました。すると、切符切りのおじさんから「エレべータでまず9階に一気に行って、そこから下に降りながら見なさい、時間ないよ!」と忠告。閉館は18時なので余裕でしょと思っていたら、大間違い! おじさんの言う通り、時間が足りませんでした。とにかく膨大な船の数々で、船酔いになりそう。息を切らしながら閉館のチャイムと同時に外に出て、ベンチに座って見上げた博物館は、自信たっぷりで誇らしげな姿をしていました。
Internationale Maritime Museum Hamburg:www.imm-hamburg.de
ハンブルグ郊外のヴェーデル市在住。ドイツ在住38年。現地幼稚園で保育士として働いている。好きなことは、カリグラフィー、お散歩、ケーキ作り、映画鑑賞。定年に向けて、第二の人生を模索中。



インベスト・イン・ババリア
スケッチブック






