日本でなら安価な大福餅やどら焼き。ドイツではなかなか手に入らないので、手作りしているという方もいらっしゃるのではないでしょうか? 今年からハン ブルク日本人会館で月1回、手作り和菓子の講習会が開かれるようになりました。講師は、裏千家茶道淡交会ハンブルグ協会会長の佐々木スタンゲ峰子さん。お茶の先生でもある彼女が教えてくださる和菓子は、お茶席で出されるような美しい和菓子です。「私にも作れるかしら?」と思いつつ、先月26日、「花衣」の会に参加しました。材料も道具も準備されているので、参加者が用意するものはエプロンと布巾、参加費(材料費)の20ユーロのみです。
佐々木さんの「一期一会のお茶の心で、毎回集まってくださる方々と一緒に楽しくお菓子を作っています」というご挨拶とともに、和やかに講習会が始まりました。お菓子作りの講習会なので女性ばかりかと思いきや、男性の参加者もいました。和菓子の材料は、ドイツでは手に入りにくいのでは? と思ったのですが、ほとんどのものはアジア・ショップにて、意外に安く手に入るそうです。
出来上がった「花衣」と「春風」
いよいよ和菓子作りに突入。ほかの参加者たちと楽しくおしゃべりしつつ、粉まみれになりながら餅の皮を作って、その皮で黒あんとごぼうの甘煮を包んでいきます。お茶席の和菓子の大切なポイントは季節感。今回チャレンジした作品「花衣」では、桜の花をイメージし、餅の一部を食紅で色付けして花型に抜いたものを飾りました。その応用編の「春風」では、抹茶味の付いた餅を白みそあんと一緒に皮に包みました。出来上がった作品はとても上品で美しく、こんな本格的な和菓子が素人にも作れるのかと驚きでした。
そして最後はお抹茶をたてて、自分たちで作った和菓子を観賞しつつ、いただきました。お味の方も、もちろん大満足の出来栄え。ごぼうが春の風味を演出し、黒あんとの味のバランスも絶妙でした。
この和菓子講習会を「月1回の割合で、今年1年は続けたい」と語る佐々木さん。ほぼ毎回、火曜日の午前中に行われています。毎月の予定は日本人会の案内に掲載されますので、興味のある方は、チェックしてみてください。たとえ1回のみの参加だとしても、佐々木さんが「一期一会のお茶の心」を持って、笑顔で迎えてくださるので、楽しく美味しいお菓子作りができること間違いなしです。
講師の佐々木スタンゲ峰子さん
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?