以前、牛乳・卵・小麦粉に対してアレルギーがあるお子さんのいるお母さんが「この子はケーキ類が全くダメなので、毎年誕生日には、どうしようと頭を悩ませています」とおっしゃっていました。そのようなアレルギー体質の人や、バターや卵、生クリームを摂らないヴィーガンの人に朗報です。ここハンブルクにも、そういう方々も安心して食べられるケーキを提供しているお店があるんです。アイムスビュッテル(Eimsbüttel)地区にある「ビオ・コンディトライ・アイヒェル(Bio Konditorei Eichel)」です。同店のオープンは2005年で、北ドイツで最初のオ一ガニックのケ一キ屋さんだそう。
同店には、なんと日本人の職人さんがいらっしゃいます。2017年10月から修業している馬場健太さんです。彼は3年間、ケルンにある添加物を使わない、オーガニックのパン屋で研鑽(けんさん)を積み、ゲゼレの職人資格(ドイツのパン職人の国家資格)を取得しています。パン修業後、オーガニックのケーキを習得したいと考え、ドイツ全国のオーガニック・ケーキを食べ歩いた結果、彼の心をとらえたのが、ハンブルクのアイヒェルだったとのこと。シェフに手紙を書き、直接アタックして、修業させてもらえることになったそうです。現在はシェフのほかに2人のケーキ職人+馬場さんが、店舗の奥でケーキを焼いています。同店のコンセプトは、化学的な材料を排除して、地域で収穫される自然素材を使い、時間をかけて素材の味を引き出すこと。砂糖の代わりにアガベシロップを使うことで、自然な甘みを大切にしているそうです。ショーケースには、たくさんの種類のケーキが並び、「ヴィーガン用」、「グルテンフリー」などの表示が添えられています。小麦粉アレルギーの方でも、スペルト麦(Dinkel)を使ったケーキなら、問題なく食べられます。同店のケーキは種類も豊富ですが、見た目も美しく、日本のケーキを思い出してしまいました。私がいただいたのはレゲンテントルテ(Regententorte)という、グルテンフリーの小麦粉で焼いた生地とモカクリームが何重もの層になったケーキ。優しい甘さで、しつこくなく、日本人の口に合うと思いました。ケーキのほか、クッキーやチョコレートも製造、販売しています。
お客さんににこやかに対応する馬場健太さん
ショーケースに並んだ美しいケーキたち
店内は落ち着いた雰囲気で、テーブルが10脚置かれたスペースもあるので、お店でケーキをいただくこともできます。私が訪れたときは、ちょうど午後のお茶の時間でしたので、ほとんどすべてのテーブルがお客さんで埋まっていました。興味を持たれた方は、ぜひウェブサイトをチェックしてみてください。
ビオ・コンディトライ・アイヒェル: www.biokonditorei-eichel.de
大きな看板が出ています
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?
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