シュトレンと言えばドレスデン」というイメージがありますが、ここキールでも毎年11月にシュトレン・シーズンの公式開始イベントが行われています。今年で10年目を迎えるというこのイベントには、キールだけではなくシュレスヴィヒ=ホルシュタイン州全域から20店舗のパン屋がエントリーして、それぞれのシュトレンの出来を競い合いました。審査の対象になるのはオーソドックスなバター・シュトレンで、「形状、見た目、生地の柔らか具合、生地の組織(微細な穴の空き具合)、フルーツの入り具合、匂い及び味」が細かく評価されます。それにしても審査員は20切れも食べなければいけないのですから大変です!
審査員達は朝から何も食べてこなかったそう
さて、審査員だけでなく一般人にもシュトレンのお裾分けがあるというので食べることが大好きな私も友人家族と一緒に出かけてきました。会場となったショッピング・アーケードの一角に近寄ると、そこはすでにたくさんの人でごった返しており、砂糖やマルチパン、レーズンなどの甘くていい匂いが漂ってきました。パン職人さんがトレーに数種類のシュトレンを載せて道行く人々に配っています。出来たてのシュトレンを無料で試食できるのですからいろいろ味見してみないと損、損!と思い、私も次々に違う種類のシュトレンをパクついてしまいました。甘い物を食べて喉が渇いたら、1ユーロでコーヒーも飲めて、とっても幸せな一時を過ごせましたよ。マルチパン&アーモンド入りやケシの実入りが特においしかったです。チョコレート味やシャンパン入りなんていうものもありました。1歳に満たないの私の娘も、ちゃっかり一切れ頂いておいしそうに食べていました。ちなみに会場には、この日のために何と380kgものシュトレンが用意されていたそうです!
16種類ものシュトレンが並ぶ
パン職人を引退して毎年このイベントの手伝いをしている義父から「シュトレンにはバターと砂糖がたっぷり入っていて、食べ過ぎたらお腹をこわすから注意しないといけないよ」と言われ、あっと思ったものの後の祭り……すでに6切れ以上は軽く食べてしまっていた私でした。
好きなだけ試食できます!
福岡出身。2005年に渡独。夫と娘との3人家族。キール・フィルハーモニー合唱団所属の音楽好き。最近凝っているのは家庭菜園。