2月27日(金)~3月1日(日)の3日間にわたり、Kieler Schlossで初のキール交響楽団と一般募集の合唱団による合同合唱イベントが開催されました。曲目は、ドイツの作曲家カール・オルフの人気代表作「カルミナ・ブラーナ」。オーケストラと3人のソリスト歌手、合唱から成る世俗カンタータです。合唱するなら1度は歌ってみたいと憧れていた曲だったので、私も夫とともに参加してきました。
初日の17時、集合場所のオペラハウスの観客席は1階席だけでは収まらず、2階席まで埋まり、熱気に溢れていました。(なんと500人以上が応募していたのです!)キールのみならず、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン州の各地やブレーメンなど遠方からの参加者もいて、年齢層も高校生くらいの若者からお年寄りまで幅広いものでした。
中世(中高)ドイツ語の歌詞で歌うのにひと苦労!
この合唱イベントは、キール・オペラハウスの総合音楽監督ゲオルク・フリッチュ氏による挨拶で幕を開け、その後すぐ各パートに分かれて18時~21時まで練習が行われました。何しろコンサート本番まではたった48時間しかありません。その短い間に、約1時間の大曲を仕上げなければならないのです。翌日も歌劇場の指導者達による練習が朝10時~夜21時半まで行われ、さすがに集中して長時間も歌っていると、喉だけでなく体力も消耗してしまいます。
そして、その次の日はもうコンサート本番!午前中にキール交響楽団とのリハーサルが行われ、17時にコンサート用の衣装に身を包んで会場に集合しました。大変な大人数なので合唱用の席(オーケストラの後方)だけでは足りず、女性陣は客席から歌うことに。フリッチュ氏の指揮の下、いよいよ演奏が始まると、大半が他人同士であるにもかかわらず、「歌が好き」という共通点のおかげで心地良い一体感を感じながら歌うことができました。演奏終了後は、満員の会場から惜しみない拍手が沸き起こり、「やり遂げた!」という充実感でいっぱいに。私にとってドイツでの忘れがたい、素晴らしい体験の1つとなりました。
コンサート翌日の新聞で大きく取り上げられました
福岡出身。2005年に渡独。夫と娘との3人家族。キール・フィルハーモニー合唱団所属の音楽好き。最近凝っているのは家庭菜園。