私の街のレポーター キール Kiel

6月6日、オペラハウスへ向かうために市庁舎前の広場を通り抜けていたら、そこでは野外仮設ステージのほか、たくさんの屋台の設営準備が始まっていました。キーラー・ヴォッヘまでまだ間があるのにどうしたのだろうと不思議に思っていたのですが、ちょうどその日は地元チームのブンデスリーガ今季最終戦が行われていたことに思い当たりました。と言っても、サッカーのことではありません。ここキールでは、サッカーはもちろんのこと、それ以上にハンドボールが大人気なのです。ちなみに地元サッカー・チーム、ホルシュタイン・キールはこの翌日、3部リーグ昇格を決めました。

キールの誇るゼブラ軍団（ユニフォームの肩とサイド部分にシマウマのような白黒のストライプがあるため、そう呼ばれています）THWキールはこの日、同じ北ドイツの強豪チームSGフレンスブルクを破り、今季ブンデスリーガとドイツカップのダブル優勝を果たしました。THWはこれまでに15回ブンデスリーガ優勝を果たしていて（ここ15年間に12回、今回で5年連続）、ドイツカップとのダブル制覇は6回におよびます。また、欧州チャンピオンズリーグにおいてはここ3年間毎年決勝まで進んでいる（2007年には優勝）という、ドイツのみならず世界屈指のハンドボールチームなのです！

スーパーマンの出で立ちで現れ、ダブル優勝を祝うゼブラ軍団。
6月8日付 キーラー・ナッハリヒテン（Kieler Nachrichten)より

さて、今季最終戦を勝利で飾った後、ゼブラ軍団の面々は市庁舎のバルコニーにスーパーマンの出で立ちで現れ、広場を埋め尽くした1万人以上のファンから歓喜の声で迎えられていました。祝賀パーティでは選手達も歌ったり踊ったりと、翌朝まで盛り上がったそうです。この様子は後日新聞で紹介されていて、中でもスター選手の1人でフランス代表でもあるニコラ・カラバティチ選手がインタビューで語った「THWはただチームというだけでなく、選手同士が本当の友達なんだ」という言葉はとても印象的でした。

キールっ子である私の夫によると、THWの試合会場はチームがまだそれほど強くなかった頃からいつも大勢の観客で埋まっていたそう。地元ファンにしっかり支えられてきたチームなのでしょう。今でもTHWの試合のチケットを入手するのは非常に難しく（このためTHWのファンである私の知人たちは皆、年間チケットを購入しています）、私は残念ながらテレビでしか彼らの試合を観たことがないのですが、1度は是非ライブでトップレベルの試合の迫力を味わってみたいと思っています。

大型スーパーにあるTHWのファンショップ