5月に入ってからというもの、キール湾沿いを歩いていると、湾にたくさんのヨットが浮かんでいるのが目につくようになりました。中でも“Kutter”と呼ばれる1本マストのとても小さな帆船に、オレンジ色の救命胴衣を着た子どもたちが各1~2名ずつ乗りこんで一生懸命に船を操っている姿が目立ちます。そう、今年もまた「Camp24/sieben」のシーズンがやってきたのです。
「Camp24/sieben」とは、「セーリング・シティ」を自称するキール市が、市営企業と共同主催しているプロジェクトのことで、今年で8回目の開催を迎えます。市は青少年たちにヨット帆走を通して水上競技の楽しさを伝えるだけでなく、仲間との連帯感や判断能力の育成、自然体験を通して環境への理解の強化することなども目指しています。毎年7000人以上の子どもや若者たちが参加しているそうです。
6歳からセーリングを楽しむことができる
5月7日~9月12日の期間に開催されるこのキャンプでは、30以上のコースが用意されています。初心者用のコースはもちろんのこと、1時間の帆走ツアーから5日間のコースまで様々です。ヨットの操作方法を学べるだけでなく、キール湾を帆走後、ビーチでバーベキューや海水浴を楽しんだり、ビーチ・バレーをしたり、誕生日パーティ用にヨットを貸し切ってクルーズを楽しむなんてことも可能です。「ヴァイキング・ツアー」、ヨットの上で日没を眺めるロマンティックな「サンセット・セーリング」、「いかだ作りコース(!)」なんていうユニークなコースもあります。参加費用も4ユーロからと良心的で、期間中は帆走シミュレーションや綱結びのトレーニングのほか、様々なゲームを無料で楽しむことができます。
先日、“Reventlouwiese”という湾岸の広場にあるキャンプの事務所にパンフレットをもらいに行ったのですが、受付の女性に「こんな素晴らしい体験ができるなんて、キールの子どもたちは恵まれていますね」と話したところ、「あら、子どもだけでなく大人用のコース(アフター・ワーク・セーリング)や家族用のコースもありますよ」と教えてくれました。同キャンプの参加可能最低年齢は6歳(コースによって異なります)なので、娘が大きくなったら、ぜひ親子で参加してみたいと思いました。旅行者も参加OKということなので、キールにいらっしゃる機会があれば、ぜひセーリング・シティをご自身で体験されてみてはいかがでしょうか。詳細は www.camp24sieben.de でご覧ください(毎年3月から参加申込み可能)。
帆走シミュレーション用の“Kutter”
福岡出身。2005年に渡独。夫と娘との3人家族。キール・フィルハーモニー合唱団所属の音楽好き。最近凝っているのは家庭菜園。