Hanacell

ドイツで太神楽を楽しむ

夏も終わりに差し掛かった8月20~29日、「ドゥックシュタイン・フェスティバル(Duckstein Festival)」という祭りがキール湾の一番奥まった地点、Kieler Hörnで開催されました。ドゥックシュタインというのは、そう、あの濃い色のビールを作っている会社。同社が主催する祭りです。期間中は2つの野外ステージが設けられ、ミュージシャンをはじめとする様々なアーティストがオリジナルのショーを披露。この祭りで日本から江戸太神楽の仙丸さんが公演すると聞き、私もドイツ人の夫の家族を誘って見に行きました。

時間通りに行ってみると、ステージ前のベンチはすでに満席状態。着物姿でステージに現れた仙丸さんとゆきさんは、いとも簡単に傘の上で湯飲みや輪、一升枡(これには皆さん、「四角なのに!」と驚いていました)などを回したり、口にくわえた棒の上で土瓶を回転させたり投げて受け取ったり、長い棒の先で大きなコマを回したり……といった手に汗握る芸の数々を披露していました。さらには、芸をしながらドイツ語(!)で観客に話しかけ、冗談を言って笑わせたり、地元の子どもたちをステージに呼んで演技に参加させたりしながら、日本の伝統文化に馴染みの薄いであろうドイツ人たちを上手に太神楽の世界に引き込んでいました。

キール
太神楽に見入る人々

公演が始まってからも、ステージの周りにはどんどん人が集まり、皆さん熱心に見入っていました。一番のハイライトは房の付いた長い棒をあごの上に乗せ、その先で水が入ったお茶碗を回転させるという大技。お茶碗から水が噴水のように飛び出してきてとてもきれいでした! 当日は海沿いの街キールらしく強風が吹いていたため、バランスを取るのがいつも以上に難しかったのではないかと思いますが、お二人ともなんのそのといった名人ぶりで、とても楽しい30分間を過ごすことがでました。

公演終了後、お二人に「ドイツのお客さんの印象はどうですか?」と尋ねると、「国によってはつまらないと思うとすぐに立ち去ってしまうところもあるけれど、ドイツでは皆さんショーを最後まで真面目に見てくれますね」とのこと。また「ドイツの夏はいつもこうなのですか? 寒いですね」ともおっしゃっていました。夏の間だけ海外公演をされていて、もう世界中あちこちを回られたそうです。日本でもなかなか生で見る機会のない太神楽をドイツで見られて何だか感慨深く、改めて日本の伝統文化も良いなあと感じました。

キール
大技、茶碗回し!

ゼルヒャウ・ハンゼン美穂
福岡出身。2005年に渡独。夫と娘との3人家族。キール・フィルハーモニー合唱団所属の音楽好き。最近凝っているのは家庭菜園。
 
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