10月14~17日の4日間、Sparkasse-Arena-Kielにて「バルティック・ホース・ショー」が開催されました。ドイツ国内から100名の騎手、そして世界11カ国から世界選手権覇者をはじめとする70名のトップ騎手が参加してのハイレベルなレースが連日繰り広げられました。
馬が大好きな娘のため、私たち家族も最終日の家族デーを観戦してきました。障害飛び越し競技はテレビでは見たことがあったものの、生で見るのは初めて。会場を見渡してまず、バーの高さに驚きました。1m55cm(私の身長と同じ!)のものもあるのです。これをさらに、背中に人を乗せて何度も飛ばなければいけないのですから、馬もさぞかし大変なことでしょう。また、礼服を身にまとった騎士たちの姿の凛々しさには見とれてしまいました。
人と馬が一体になってジャンプ!
迫力があります
競技が始まった瞬間、会場は張り詰めた静寂に包まれました。バーが馬の足に当たって落下するたびに「オ~!」という嘆息のような声が漏れ、逆に難所の3回連続ジャンプがクリアされると、拍手と大歓声が起こりました。気が付くと私も思わず、ほかの観客と一緒に歓声を上げていました。また、馬の毛色やたてがみの編み方にもそれぞれ違いがあり、興味深く見入ってしまいました。
緊張感と迫力にあふれる障害飛び越し競技の前後には、馬車競技(四頭立て、二頭立て、ポニー二頭立ての三種によるチーム競技)や羊飼いのショー、犬のフリスビー・ショーなども披露され、全く退屈しませんでした。特に魅せられたのは、走っている馬の背上で華麗なアクロバットを繰り広げる競技。17歳の少女が馬の上で逆立ちをしたり、絶妙なバランスで様々なポーズをとったりするのには驚きました。馬に乗るだけでもバランスが取り難そうなのに……きっと馬との信頼関係があってこそ可能なのだろうなあと感じました。
この日のプログラムは朝の9時過ぎから始まったのですが、午後の競技が始まる頃には立ち見客が出るほどに。観客層も幅広かったのですが、中でも10代くらいの女の子たちの姿が目立ち、女子の間での、乗馬の人気の高さがうかがえました。このショーを見て乗馬に憧れる子どもたちもきっといるのではないでしょうか。この日の観客動員数は過去最高の2万5500人を記録したそうです。スポーツとショーが融合したこのイベントは、今年で21回目を記録。これからもキールの秋の風物詩の1つとして続いていくことでしょう。
カーブもなんのその、という感じで疾走していく
四頭立て馬車
福岡出身。2005年に渡独。夫と娘との3人家族。キール・フィルハーモニー合唱団所属の音楽好き。最近凝っているのは家庭菜園。