待ちに待ったシュレスヴィヒ=ホルシュタイン州初の日本食レストランが、ついにキールに誕生しました。お店の名前は「庵(ann)」です。
寿司バーというものは以前よりキールに存在していますが、日本人ではなくアジア系の人が経営するお店で、味、値段共に残念ながら満足できるものではありませんでした。ですので、これまでは本格的な日本の寿司や料理が食べたいと思ったら、1時間掛けてハンブルクまで行かなければならなかったのです。「庵」の経営者、海野修一さんと韓国人のホル・キムさんのお2人は、共にキール歌劇場の歌手として活躍中ですが、本格的な日本食・韓国食のレストランをキールに作りたいという夢を10年以上お持ちだったそうです。それが2010年11月26日、とうとう実現したのです。レストラン開店の知らせは、キールやその近郊に住む私たち日本人にとっても大変喜ばしいニュースとなりました。
見事な手さばきでドイツ人客を魅了する
寿司マイスター、田中真一さん
お店は連日予約で一杯だそうです。私が訪れた時も店内はドイツ人の予約客であふれていて、ドイツの人々の日本・韓国料理への関心の高さがうかがえました。実際、私も周囲のドイツ人から「もう新しい日本食レストランには行った?生魚以外の料理もあるの? 今度行きたいのだけれど、どんなものがオススメか教えて!」などとよく質問されます。
初めて訪れた今回、私は日本食を選び、刺身や天ぷら、寿司などを頂きました。私は料理評論家ではないので、味について上手い表現はできませんが、一口食べるごとに思わず「美味しい!」と連呼していました。新鮮な刺身の本当に美味しかったこと! また出された寿司も実にきれい! 食べるのがもったいないと思えるほど芸術的なもので、味だけでなく見た目も充分に楽しめました。また飲み物も、ワインリストが充実しているだけでなく、店内に焼酎バーがあり、多様な日本酒や焼酎も楽しめるようになっています。寒さが一段と厳しい今年の冬。日本酒で温まるのも良さそうです。
デザートも日本風に、濃厚な抹茶の味が楽しめるティラミスやアイス、抹茶ラテや抹茶マフィン、小豆のデザートなどが揃っていました。中でも目を引いたのは、「天ぷらアイス」なるもの。どんな味か知りたい方は、ぜひキールの「庵」へ足をお運びください。ちなみに、ランチも8.50ユーロからとお手頃価格でいただけます。
庵(ann)
Holtenauer Str.158, 24105 Kiel
(映画館Metro近く)
www.annrestaurant.com
和やかな雰囲気の「庵」の店内
福岡出身。2005年に渡独。夫と娘との3人家族。キール・フィルハーモニー合唱団所属の音楽好き。最近凝っているのは家庭菜園。