ジャパンダイジェスト

環境保護団体「エコライオン」

特定非営利活動法人「エコライオン(Ökolöwe)」は、ライプツィヒとその近郊における自然環境をテーマに様々な活動を展開している団体です。設立は1989年。ベルリンの壁が崩壊した10日後にライプツィヒの教会で、環境問題への意識が高い市民活動家たちによって立ち上げられ、翌年には市南部コスプーデナー地区の露天堀開発に反対する大規模なデモを行って、ライプツィヒの森林を守るのに重要な役割を果たしました。毎年6月には世界環境デー(6月5日)に合わせて同団体主催の環境フェスティバル「Ökofete」が開催されており、設立25周年の今年はここで、これまで団体の活動に関わってきた多くの人たちによって、大規模な祝祭が行われる予定です。

Ökofete
毎年6月に開催される環境フェスティバル「Ökofete」

8人の常勤スタッフは、生物学や地理学、都市計画学、農学、森林学、文化学などを専攻した専門家たちで、それ以外にも志願社会奉仕制度でボランティア活動をする10~20代の若者が常時20人ほど研修を受けています。彼らの活動は環境政策への参与から環境市場調査、自然保護、環境ライブラリーの管理、都市農業、持続可能モビリティーの開発まで多岐にわたります。

市南部のコネヴィッツ地区では、市所有の土地で市民農園を管理・運営したり、市民から寄付を募って植樹を行ったりしています。この植樹活動により、すでに100本以上もの果樹が植えられ、その数は年々増えています。昨年末、私も娘と一緒にリンゴの樹を1本植えましたが、今後自分たちの手で植えた木が育つのを見るのがとても楽しみです。

リンゴの樹の植樹を植える
市民の寄付によって行われているリンゴの樹の植樹

3年前からエコライオンで自然保護部門を担当するベンヤミン・シリング氏は、彼らの活動にとって継続的な経済支援は不可欠で、その活動は多くの市民ボランティアの協力の上に成り立っていると言います。「日々の生活の中で『自分に必要なものは何か』と考えることが、私たちの未来にとって大切だと思います。例えば、マイカーが本当に必要なのか、自転車を主要な交通手段として、必要な時だけカーシェアリングを利用するなどの方法は考えられないか。あるいは自分の住む町の近郊で農業が営まれているにもかかわらず、南米から輸入されたバナナを買って食べる必要が本当にあるのかと考えるのです。私たち1人ひとりの意識が、将来の持続可能な環境に配慮した生活を築くために重要ではないでしょうか」とシリング氏。将来の自然環境は、私たちの思考に掛かっているということですね。

今年のÖkofeteは 6月15日12:00~19:00、Clara-Zetkin-Parkにて。
www.oekoloewe.de

ミンクス 典子
福岡県生まれ。東京理科大学建築学科修士課程修了後、2003年に渡欧。欧州各地の建築設計事務所に所属し、10年に「ミンクス.アーキテクツ」の活動を開始。11年よりライプツィヒ「日本の家」の共同代表。www.djh-leipzig.de
 
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