ジャパンダイジェスト

活気溢れる再開発エリアWerksviertelを訪ねて

今回は、ミュンヘンのオスト駅(Ostbahnhof)周辺で急速に開発が進むエリア 「Werksviertel」を紹介します。時は1946年、第二次世界大戦の敗戦の傷がまだまだ癒えないミュンヘンのオスト駅の南東部で、食品加工会社のPfanni社の工場が操業を開始しました。じゃがいもの粉末などを生産する同社を中心に、このエリアは工業地帯として繁栄。その後約50年もの間、同地域はミュンヘンの経済と雇用を支えてきました。しかしながら、時代の流れには逆らえず、周辺の工場は次第に都市部から郊外へと移っていきます。Phanni社も同様に、1996年に生産工場をミュンヘンからドイツ北部へと移転しました。

屋上のテラス席からは、天気が良ければアルプスが見えるかも屋上のテラス席からは、天気が良ければアルプスが見えるかも

その後、Phanni社工場跡地の暫定的な活用が議論され、ナイトクラブなどの若者が集まる場所になると同時に、古い建屋をそのまま活用したアトリエやオフィス、住居などに生まれ変わりました。若い世代を中心に新たな一歩を踏み出したのです。私がミュンヘンに移住した2013年当時は、仮設テントやプレハブの中にクラブやライブハウスが所狭しと立ち並び、週末を楽しむ若者たちが朝までにぎわいを見せていたのを思い出します。

ミュンヘン在住シンガーのNiloさんのボサノヴァライブミュンヘン在住シンガーのNiloさんのボサノヴァライブ

このように時代とともに形態を変え、工業地帯から若者のクリエイティビティを刺激するエリアとなったWerksviertel。貨物列車のレール跡に当時の面影を残しつつ、現在では色とりどりの個性的なショップやレストランが集まっています。先日、このエリアで開催される音楽イベントを訪れました。イベントの前に、同エリアで人気のタイ料理店Khanitthaで腹ごしらえ。店内には、東南アジアの街中で移動手段として使われる電動三輪車トゥクトゥクや、色とりどりの屋台風キッチンが並びます。その後、友人の出演する会場Werk7へと移動。ライトアップされたステージとたくさんの観客の中でボサノヴァのライブを楽しみました。ライブの後には、これまたエリア内のビアホールで友人たちと乾杯し、最後の夏を楽しみました。

若者の活気溢れるWerksviertel-Mitte若者の活気溢れるWerksviertel-Mitte

今回は時間が限られていたため短時間の滞在でしたが、このエリアにはミュンヘンで唯一の通信カラオケが楽しめるカラオケボックスや、ミュンヘンの街やアルプスが一望できるホテルのカフェバーやテラスなど、ほかにも楽しめる場所が盛りだくさん。さらに、運が良ければビルの屋上に放牧された羊たちを見ることもできます。このように若者を中心に日々変化していくWerksviertel。週末にはさまざまなイベントも開かれているので、ぜひ足を運んでみてくださいね。

神田 浩一郎(かんだ こういちろう)
駐在員として赴任したミュンヘンで、自然や文化、人々に魅了され、2019年に完全移住。「ミュンヘン山の会」のメンバーとして月に1~2度ハイキングを企画したり、山歩きの魅力やミュンヘンでの日常生活を発信したりしている。
Instagram:@yama.trip.music_kou

 
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