ジャパンダイジェスト

子ども心を引き寄せる泥んこ道をゆく

「ジンネスバンデル」(Sinneswandel、心変わり)という、ちょっと変わった名前のハイキングスポットがゲッピンゲンのバッド・ボルにはあります。Sinneswandelという「感覚(心)の散歩」とも捉えられる遊び心のあるネーミングの通り、思いっきり自然体験ができるハイキングコースとなっています。

節こぶのオーク樹節こぶのオーク樹

冒険心そそられるこのハイキング道に挑む際には、泥んこになっても良い、丈夫な靴を履いていきましょう。森の小道は泥だらけで滑りやすく、また樹木の根っこや石ころが至る所にあるため、歩きやすい道ではないからです。ジンネスバンデル道を標識通りに進んでいけば、少し泥んこになるくらいで済むのですが、いつの間にか道を外れてしまうと大変。泥の中に靴が沈んでいくような泥道を歩くことに。しかし、泥んこになった靴を見て気分が落ちたのもつかの間、靴の色がもはや分からないくらいに泥まみれになると、「汚れたって、後で洗えばいいじゃないか!」とすぐに吹っきれ、泥を楽しみながらハイキングをしたのでした。子ども心へ帰ることの大切さを、いつまでも忘れないでいたいものです。

とことん泥まみれになりましょう!とことん泥まみれになりましょう!

おそよ2キロの長さがあるこのハイキング道は子ども連れの家族にも人気で、私が先日行った時には、おじいさん、おばあさんと一緒に来ている家族の姿も見かけました。おばあさんは泥に足を取られて苦戦していましたが、子どもたちはそれを尻目に大喜び。スタート地点とゴール地点には、ありがたいことに「靴洗い場」が設置されています。自然の靴洗い場で、皆少なからずともおおよその泥を取ってから帰路へとついていました。また、その近辺には子どもが遊べる公園や、コロナ規制がなければバーベキュー場も設けられています。

木がぶつかり合って響く「音の森」(Klangwald)木がぶつかり合って響く「音の森」(Klangwald)

泥のないエリアに入ると、キツツキが樹木をつつく音が聞こえてきます。キツツキが穴を開けた樹を見つけるなど、木々に囲まれながら散歩をゆっくり楽しみました。また、ハイキング道には、もう少し太ったら渡れないかも……と思うようなとても細く造られた橋や、「節こぶのオーク樹」と名付けられた、幹にいくつもの節こぶを持つ何とも不思議で美しい木があります。さらに、細い丸太が上から釣り下がり、中を歩くと丸太がぶつかり合って、不思議なリズムで音を醸し出すオブジェ「音の森」(Klangwald)など、まさに森に五感を刺激される体験となりました。

そして帰り道、バッド・ボルの街で昨年6月にオープンした、自然素材を使ったイタリアンジェラート屋さん「Fratelli Gelato Naturale」に寄ります。ここでおいしいジェラートをいただいて、最後に味覚も刺激するのが私のお気に入りです。

フンドハウゼン エリ
大阪生まれ、東京育ち。在シュトゥットガルト14年。Merz Akademie大学視覚コミュニケーション科卒。語学力を武器に、日本企業のリロケーションをサポートしながら、メディアデザイナーとしても幅広く活躍している。趣味はギターと読書。

 
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