ジャパンダイジェスト

ネッカー川下り

暖かい日が続いた今年の初秋。天気の良い10月のある週末に、友人に誘われてフェリーでネッカー川下りを体験してきました。

ネッカー川下りで乗ったフェリー
今回のネッカー川下りで乗ったフェリー

カンシュタットの船乗り場で乗船券を買い、早速船に乗り込みました。様々なフェリー会社が多種多様なクルージングコースを提供していますが、今回私たちが利用したのは、ミュールハウゼンまで行って戻ってくる約2時間のコースです。船の上のテラス席に座り、しばらく待っていると、船がゆっくりと出発。北へ航行していきました。最高時速は18kmで、ちょうど岸で自転車に乗っている人たちと同じくらいのスピードです。

しばらくすると、船内のアナウンスでネッカー川に関する情報が流れてきました。それによると、ネッカー川はライン川の支流で、全長約362km。主にバーデン=ヴュルテンベルク州を流れています。「ネッカー(Neckar)」はケルト語で「ワイルドな川」を意味し、かつては荒ぶる川として恐れられていたそうです。そのような説明を聞きながらビールを飲み、両岸のぶどう畑などの眺めをしばらく楽しんでいると、左手に大きな煙突と工場らしき建物が見えてきました。アナウンスされた説明によると、これはバート=カンシュタットの火力発電所だそうです。「街のすぐ脇にこんな大きな煙突!?」と少し不安になりましたが、世界一クリーンな浄化システムを備え、有害な物質を一切出していないそうです。

さらに進むと、ダムが目の前に現れました。目的地はその向こうです。乗客の皆さん、特に子どもたちはフェリーでダムをどう通過するのか興味津々の様子で、船頭や船尾で見守ります。すると、船が水位とともに見る見るうちに降下し始めたではありませんか! 後ろの閘門が閉まり、排水が始まったようです。高低差は約4mありましたが、わずか10分足らずで下降完了。次は前の閘門が完全に上がり、その下をくぐってダムの向こうに到着しました。ダムの周りには、この一連の過程をじっと見守る通行人たちがいて、橋の上や岸から時々手を振ってくれたりしました。そこから少し進んだところで、目的地ミュールハウゼンに到着。船はここでU ターンし、行きのルートを帰っていきました。

途中で見えた岸辺のぶどう畑
途中で見えた岸辺のぶどう畑。豊作のようです

今回は短めのコースでしたが、次回はもう少し長めのコースも体験してみたいと思いました。このほかにも、船の上では音楽とワインのツアーや午後のコーヒータイムツアーなど、面白そうなイベントがいろいろと開催されているそうなので、皆さんも機会があったらぜひ参加してみてください。

郭 映南
中国生まれの日本国籍。東北芸術工科大学卒業後、シュトゥットガルト造形美術大学でアート写真の知識を深める。その後、台北、北海道、海南島と、渡り鳥のように北と南の島々を転々としながら写真を撮り続ける。
http://kakueinan.wordpress.com

 

 
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