1971年にジョン・クランコによって創立されたジョン・クランコ・バレエスクールはシュトゥットガルトバレエ団の付属バレエ学校として、いまや世界名門のバレエスクールの一つとして名が知られています。今年、その第20回の卒業発表会ということで、シュトゥットガルトのオペラハウスにて華やかなショーを披露してくれました。
卒業発表会とはいえ、オペラハウス3階の最後列までほとんど満席という大盛況ぶり。はじめは「シルヴィア・パ・ド・ドゥ」でクラシックなスタートを切りました。2人の若いダンサーが登場し、とても軽やかな動きで、初々しく完璧な演技を見せてくれました。全体重をつま先にかけているはずなのに、まったく重力を感じさせない、まるで羽が生えているかのような踊りでした。実はこのすばらしい演技を見せてくれたのは、大木愛菜さんと清田もとみさんの2人の若い日本人バレエダンサー。いずれも世界的なバレエコンクールで受賞したことのある将来有望のスターダンサーです。
発表会当日のオペラハウス
歴史を感じるオペラハウスのエントランス
開演前
休憩を挟んで、ポップダンスの演目やアーティスティックな振り付けのダンスもありました。そして、もう一人の日本人ダンサー田中美羽さんも登場し、アレッサンドラ・ブラマンテさんとガブリエル・フェギュエドさんと「グリンカ・パ・ド・トロワ」を披露。女性2人と男性1人の踊りで、ユニークなストーリーでした。演目はクラシックなものからモダンなものまで幅広く選ばれていて、全体のバランスがよく考えてあり、ポストモダンといわれている今の時代にもぴったりなプログラムです。最後はスクール全員の生徒が舞台に上がって、みんなで「エチュード」=練習風景を再現するというものもありました。一番小さい子で、多分まだ4~5歳でしょう。その一生懸命バレエのポジションをやっている姿がかわいらしかったです。
生徒全員でエチュード
発表会の後、シュトゥットガルト新聞でこの舞台についての記事も読みましたが、「速いターン、力強いジャンプと印象的なリフト……」と、ともかく褒め言葉だらけで、すごい好評だったみたいです。スクールを卒業して、一人前のプロのダンサーとしてこれからの活躍を大いに期待しています。
ちなみに、シュトゥットガルトバレエ団の今年の日本公演もつい最近決まったので、日本にいるご家族や友人にもぜひおすすめしてみてください。
日本舞台芸術振興会: www.nbs.or.jp/stages/2018/stuttgart
中国生まれの日本国籍。東北芸術工科大学卒業後、シュトゥットガルト造形美術大学でアート写真の知識を深める。その後、台北、北海道、海南島と、渡り鳥のように北と南の島々を転々としながら写真を撮り続ける。
www.kakueinan.wordpress.com