海外キャリアのつくり方
ドイツ・エネルギーから社会を変える仕事とは?
著者:西村健佑、梶村良太郎、永井宏治、
金田真聡、村上敦
発行元:いしずえ
ISBN-13: 978-4861310423
電気やガスなど、普段の生活の中で私達が必ず使用している“エネルギー”。エネルギーといっても、その実体は目に見えないことから、自分達の生活にどれほど密接に関係しているのか、どれくらい重要なものなのか、いまいち想像がつかない人も多いのではないだろうか。
本書ではドイツと日本の2カ国で活躍している建築家や環境・建築コンサルタント、ジャーナリストなど、各分野のスペシャリスト達がエネルギーについて分かりやすく解説している。“エネルギーって何?”といった基礎的な内容から始まり、エネルギーの種類や新エネルギーについての解説、また環境の改善を国策とし、明確な目標を掲げているドイツのエネルギー転換とそれに至った歴史的背景など……ドイツと日本を知る5人だからこそ持ちえた視点で両国の比較を織り交ぜながら描かれている。
また、エネルギー問題における重要なキーワードやドイツと日本の法律、考え方の違いなどがコラム形式でより詳しく説明されているので、ポイントをきちんと理解しながら読み進めることができるようになっている。多方向からその実情を知ることで、難しいと考えられがちな“エネルギー”について身近に感じることができるのも魅力の一つだろう。
本書ではもうひとつの主軸である“海外でキャリアを築くこと”について5人それぞれのエピソードが描かれている。どのような学生生活を送ってきて、どのように海外と接点を持っていたか、なぜドイツで各自の専門分野を通しエネルギーに携わる仕事をしようと思ったのか、いつ頃ドイツに来て、どのような生活を送り現在に至るのかも5者5様で興味深い。
エネルギーに関わる仕事に興味がある人はもちろん、今後、海外でキャリアを積んでみたいと考えている人、学生の子供を持つ親など、さまざまな立場の幅広い世代の読者が楽しめる内容となっている。
日本を飛び出しドイツを拠点に活躍する先輩達の実体験から生まれた言葉からは、多くのアイデアやヒントが得られるはず。(編集部:栗原ちひろ)